バイデン通商外交にみる既視感 「建国の父」の復権

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青山直篤
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経世彩民 青山直篤の目

 2月25日、米上院での公聴会を見ながら、私は「既視感」にとらわれていた。米議会で人事承認を求めて答弁していたのは、バイデン大統領が米通商代表部(USTR)の代表に指名したキャサリン・タイ氏だ。

 「伝統的に我々は、『神の見えざる手』が導く自由市場の力で国民経済も国際競争もうまくいく、と信じてきた。だが、通商政策の様式を見直す必要がある。米国が中国のようになるべきだということではないが、(中国の)野心を考慮し、戦略的になるべきだ」

 これが、トランプ前大統領の「貿易戦争」を実質的に主導したロバート・ライトハイザー前通商代表の発言だと言われても、全く違和感がなかっただろう。いずれも「労働者中心の通商政策」を掲げた新旧の通商代表の問題意識は、中核部分でそれほど似通っていた。タイ氏は、党派対立の激しい米議会ではきわめて珍しく、全会一致で承認を受けた。

 冷戦終結後、自由な市場経済

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