望んだ「金権政治」へのけじめ 再選挙で起きた地殻変動

有料会員記事衆参3選挙

東郷隆、大久保貴裕
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 有権者が望んだのは「金権政治」へのけじめだった。買収事件による河井案里氏の当選無効に伴う参院広島選挙区の再選挙。野党系の諸派新顔、宮口治子氏(45)が、自民新顔の西田英範氏(39)を破り、初当選を果たした。投票率は33・61%で、2019年参院選の44・67%を下回った。

 「(選挙で)結論が出たということではないか」。広島市内の会場で支援者らに迎えられた宮口氏は、買収事件についてこう語った。立憲民主と国民民主、社民が推薦し、共産も支援。事実上の野党統一候補として、幅広い支持を得ようと党派色を薄め、推薦する各党の県組織などによる政治団体の公認候補として選挙に臨んだ。

 案里氏や夫で元法相の克行被告=いずれも自民党を離党=による買収事件で自民に逆風が吹くなか、選挙戦終盤にかけて「政治とカネ」への言及を強めた。

 街頭演説では事件について「政治が一部にしか向いていないから起きた」と強調し、「金権政治を認めない意思表示を」と支持を呼びかけた。推薦各党の党首や国会議員らが次々に応援に駆けつけた。立憲の枝野幸男代表は毎週末計3回にわたり広島入り。政治不信から棄権を選ぶ人が少なくないとみて、「政治がおかしいと思うなら一票を。投票に行かないのは認めるということだ」と訴えた。

 一方で、与党側の敗北に対する衝撃は大きい。自民は「次の衆院選の指標になる重要な選挙」と位置づけ、自民党岸田派岸田文雄・前政調会長も選挙戦を全面支援した。岸田氏に続いてあいさつに立った西田氏は「政治の信頼を取り戻す、との思いだったが、認識が甘かった」と肩を落とした。

 将来の首相の座を狙う岸田氏にとっても地元での負けは許されない戦いだった。それだけに「政治とカネ」問題の反省と自己改革を前面に出した。

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