宣言対象外の奈良、県外車ずらり 営業問う電話50件 

新型コロナウイルス

平田瑛美、米田千佐子
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 新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうと大阪、京都、兵庫など4都府県に緊急事態宣言が出された25日、奈良県内の観光地などには県外客の姿も目立った。県内は現在、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象地域ではない。飲食やレジャーなどが抑制される京阪神からの人の流入を危惧する声も聞かれた。

 「大阪では遊べる場所がないので」。奈良公園大阪市内から孫と訪れた男性(51)は取材に対し、辺りをはばかるように小声で話した。4月末からの大型連休はステイホームの予定という。「だから今日だけは、と」

 この日の奈良市内は快晴で午後から気温が20度を超えた。絶好の行楽日和のなか、奈良公園周辺は冷たい飲み物やアイスクリームを片手に町歩きする人たちでにぎわった。

 近鉄奈良駅付近の商店街。猿沢池近くの和菓子店「中谷堂」の店主・中谷充男さん(58)は「天気がいいこともあっていつもより人出は多い。ワクチンが早く普及することを祈るばかりです」と話す。

 近くを散策していた奈良市の山中功さん(77)は「観光客を歓迎するべき部分もあるかもしれないが、奈良を逃げ場にされて感染者が増えては困る」と漏らした。東大寺南大門前の通りで鹿せんべいを販売する70代女性は「もうコロナなんて慣れっこになって、前の緊急事態宣言より危機感は薄れていると思う」。

 果物狩りやフィールドアスレチックなどが人気の三郷町の「農業公園信貴山のどか村」。普段から隣接する大阪府からの来場者が多い。緊急事態宣言が出されたこの日、駐車場には「大阪」「なにわ」「和泉」「京都」「神戸」と宣言地域のナンバープレートの車がずらりと並んでいた。奥田哲生社長(71)によると、営業しているかの問い合わせ電話がこの日だけで50件以上あったという。

 大阪市から家族と来た30代女性は「広い場所ならいいのでは。(宣言中も)幼稚園や習い事は休みではないので、遊びに出ても一緒だと思う」。家族らと訪れた大阪府の20代男性は府内の観光地に行く予定だったが、緊急事態宣言による休業で変更した。「家でじっとしていてもストレスがたまって健康によくなさそう」と話した。

 奈良県野外活動センター(奈良市都祁吐山町)は、緊急事態宣言や重点措置の対象地域に住む人に利用の自粛を求める文章をホームページに掲載している。日帰りの利用客にも住所の提示を求めている。25日は午後4時時点で、該当する地域に住む人が利用しようとした例はないという。(平田瑛美、米田千佐子)

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