第1回「予想外のスピード外交」 バイデン政権100日を読む

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ワシントン=園田耕司、青山直篤、高野遼 聞き手・園田耕司 聞き手・青山直篤
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バイデン政権始動 発足100日(上)

 バイデン米政権発足から29日で100日目を迎える。バイデン大統領は就任直後から矢継ぎ早にトランプ前政権の政策方針を転換させ、同盟国との連携を重視した国際協調路線を強く印象づけた。一方、前政権から続く米中対立は、バイデン政権が民主主義・人権問題重視の姿勢を前面に打ち出したことでさらに激しさを増すなど課題も多い。(ワシントン=園田耕司、青山直篤、高野遼)

 「予想以上のスピードで外交を進めている」。ワシントンの外交筋はこう語る。バイデン氏は1月20日の就任初日、地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」への復帰や、世界保健機関(WHO)からの脱退手続き中止を決定。政治任用職の国務省国防総省高官が決まらない段階で次々と新政策を打ち出し、「1期目ですべてやり遂げるつもりでは」(同外交筋)との印象すら与えている。

 バイデン外交の陣頭指揮を執って精力的に各国との調整に動くのが、バイデン氏の副大統領当時からの腹心、ブリンケン国務長官とサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)だ。気候変動問題では、元国務長官のケリー大統領特使も存在感を発揮。バイデン政権では大勢のオバマ政権高官が任命され、発足当初は「オバマ2・0」とやゆされた。しかし、トップのトランプ大統領だけに権限が集中して思いつきで政策が混乱していた前政権とは打って変わり、経験豊かな専門家に支えられたバイデン政権の安定感は強い。

後半では、2人の米識者にバイデン政権の狙いと課題を読み解いてもらいます。

中国との新冷戦「起きつつある」

 一方、バイデン政権はトランプ前政権の競争政策を継続して中国とは厳しく対立する。政権発足から3週間後に行われた中国の習近平(シーチンピン)国家主席との電話協議では、バイデン氏が中国の最も反発する台湾や人権問題に言及して「根本的な懸念」を表明。米アラスカ州での米中外交トップ会談でもブリンケン氏が中国側と激しく非難を応酬した。

 米中対立を「民主主義国家V…

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連載バイデン政権始動 発足100日(全4回)

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