現金封筒は「三方よし」のキャンバス 地銀が障害者支援

近藤郷平
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 現金自動出入機(ATM)コーナーなどにある現金封筒の紙面をキャンバスに見立て、障害者のアート作品を紹介する――。そんな取り組みが、大垣共立銀行(OKB)と支援団体との連携で広がり始めている。

 OKBは、同社のPRスペースにしてきた現金封筒の表面を障害者の作品発表の場とし、裏面は企業広告に使ってもらう。「OKBギャラリー tomoniアート展」と名付けたこの取り組み。賛同企業から広告料と作品使用料(3万円)を受け取り、作品使用料は企業が選んだ作品の作家に支払われる。

 OKBは4月15日、愛知県で活動する「あいちアール・ブリュットネットワークセンター」(AANC)の運営団体と、名古屋市内で連携協定を結んだ。センターを通じて障害者の10作品を紹介してもらう。昨秋、岐阜県教育文化財団とも協定を結び、同様に10作品を紹介してもらっている。3月末までの半年間で、24社から8作品に対して申し込みがあり、計72万円を作家の手元に届けたという。

 OKBの土屋諭常務は協定式で、「OKB、企業、障害者の方の三方よしの取り組みだ」。AANCの小田泰久センター長も「新型コロナで活動の幅に制限が出ている。暮らしの中で、作品に触れていただける。とても勇気をもらえる」と語った。

 OKBはキャッシュカードなしでも手のひらをかざせば使える生体認証ATMなど、顧客目線のサービスで知られる。SDGs(持続可能な開発目標)の「誰ひとり取り残さない」という理念に沿った活動に力を入れており、土屋常務は「現金封筒の有効活用を考えていたところ、SDGsの発想が今回の取り組みにつながった」と話す。(近藤郷平)

大垣共立銀行〉 岐阜、愛知両県が地盤で、貸出金残高は東海3県の地銀で2位。「脱・銀行」を掲げ、異業種との連携に積極的。