中国軍初の強襲揚陸艦が就役 上陸作戦力が大幅アップ

北京=冨名腰隆
[PR]

 中国軍初の強襲揚陸艦が23日就役し、海南省三亜の軍港で習近平(シーチンピン)国家主席が出席した式典が開かれた。中国国防省が発表した。空母に似た甲板や揚陸艇の格納庫を持ち、中国軍の上陸作戦遂行能力を大幅に向上させることになる。南シナ海の諸島や台湾での運用を想定した配備とみられるが、沖縄県尖閣諸島の防衛にも脅威となりそうだ。

 23日は中国海軍の創設72周年にあたる。強襲揚陸艦が南海艦隊に引き渡される式典には中央軍事委員会主席を兼ねる習氏のほか、張又俠、許其亮両副主席ら軍幹部が顔をそろえた。

 就役したのは「075型」と呼ばれる大型の強襲揚陸艦で、「海南」と命名された。米軍の主力艦「ワスプ級」に匹敵する排水量約4万トンで、30機のヘリコプターが搭載可能とされる。中国は2隻目以降の075型の建造も急ピッチで進めている。

 国営中央テレビなど中国の主要メディアは3月上旬、陸海空ロケット各軍と戦略支援部隊が参加した大規模な上陸作戦演習が南シナ海で行われる様子を伝えた。襲撃された島の奪還を想定した訓練だが、上陸作戦の能力向上は米国との軍事連携強化を図る台湾の蔡英文(ツァイインウェン)政権に圧力をかける意味も持つ。

 この日は「海南」のほか、アジア最大級の055型大型ミサイル駆逐艦「大連」や、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載できる094型原子力潜水艦「長征18号」もあわせて就役。中国初の国産空母「山東」も、海南島の軍港ドックで本格配備に向けた整備が進んでいるとみられる。

 海洋進出を強める動きについて、中国軍は「国防力強化」だと説明するが、欧米の軍艦は「航行の自由」作戦などで牽制(けんせい)を強めており、中国周辺海域での緊張は高まっている。(北京=冨名腰隆