スポーツビジネス近未来 柳田将洋、メルカリ会長に学ぶ

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構成・木村健一
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 バレーボール日本代表の柳田将洋(28)=サントリー=は4年前、フリーマーケットアプリ大手メルカリ会長で、サッカーJ1鹿島アントラーズ社長でもある小泉文明さん(40)と一緒にプロレスを観戦した。今回のオンライン対談で「再会」を果たし、スポーツビジネスの可能性について語り合った。

 柳田 お久しぶりです。

 小泉 新日本プロレスの夏のG1を見に行きましたよね。

 柳田 一番前の席でめっちゃ怖かったけど、興味がわいてきて。動画を見るようになりました。

 小泉 地元が山梨県なので、同郷のジャンボ鶴田さんを応援して育ちました。武藤敬司さんも同じ。地元が一緒だとひいき目に見ちゃいます。

 柳田 プロレスに魅せられました。あんなに短い時間で、こんなに密度の濃い見せ方ができるんだ、と。バレーもファンに見せる活動が必要だと思いました。

 小泉 一人一人の個性が表現できているのがすごい。バレーもサッカーも団体スポーツなので、個を出すのは難しい。3カウントという分かりやすいルールもいい。シンプルにみんなが熱狂できる。サッカーのオフサイドはやっぱり難しい。バレーも難しいですよね。

 柳田 バレーは複雑化していますね。ボールが速く、ついてこられない人もいるのかな、と。

 メルカリは2019年、鹿島の経営権を取得。本格的にスポーツビジネスへ参画した。

 小泉 ファンを喜ばせるためにビジネスはある。鹿島のミッションは「すべては勝利のために」。勝つために事業を大きくし、選手の強化育成に投資し、また強くする。ビジネスと強化は両輪。ぐるぐる回しながら、円を大きくする。会社が大きくなれば、自然と選手に人件費を払える。そういうループを回さないと。

小泉文明(こいずみ・ふみあき)

1980年生まれ、山梨県出身。早大商学部卒業後、大和証券SMBC、IT大手ミクシィを経て、13年にメルカリへ。17年、取締役社長兼COO(最高執行責任者)に就任。19年、サッカーJ1鹿島の社長に就き、メルカリ会長を兼任。3児の父で、メルカリ社長時代に約2カ月の育休を経験。

 この世界には、ビジネスを経験してきた人があまり入ってこない。こうやってファンサービスをやれば、お金がもらえる。インターネットを使えば競技の魅力を届けられる。それでスポンサーが増えて、選手の強化につながる。こうした健全な議論があまりなされてこなかったと思う。

 野球がいい例です。おじさんが見るオワコン(終わったコンテンツ)みたいなところから、ネット企業のDeNAや楽天が入って、いま、みんなが野球を見ている。僕らもネット系として入って、それを変えていこうとしている最中です。

 柳田 海外は、チームの予算を大きくして、いい選手をとろうとする。リスクもある。2年前にプレーしたポーランドでは、給料未払いが発生したチームもありました。

 ネット企業として、何に取り組んだのか。

 小泉 まず、アナログだった社員の働き方のデジタル化。紙や電話でやっていたことをテクノロジーでやって、みんなの仕事の量を減らした。次に、オンラインイベントで視聴者がお金を払う「投げ銭」や「クラウドファンディング」といったデジタルの施策。最近は町と連携し、デジタルな町づくりに入っています。

デジタル化で広がるスポーツビジネスの可能性、そして小泉氏が描く近未来のカシマスタジアムの風景とは。記事後半では対談のエッセンスをまとめた動画もご覧いただけます。紙面では4月28日付の朝刊で詳報します。連載「自分らしく 柳田将洋の挑戦」は今後も、月に一度お届けする予定です。

 柳田 新しい感覚です。バレ…

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連載自分らしく 柳田将洋の挑戦

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