飲食店時短要請、きょうから 店主ら不安の声

新型コロナウイルス

吉備彩日、土肥修一
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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、27日から青森市本町と橋本地区の一部の飲食店に対する午後9時までの営業時間短縮の要請が始まる。本町の飲食店ではすでに客足が遠のいており、大型連休を前にした時短要請にさらなる不安が広がる。一方、時短の対象外となった周辺の飲食店からは、感染拡大を恐れる声があがっている。

 県が時短要請を決めた23日。帰宅時間帯になっても飲食店が軒を連ねる大通り沿いには人気はなかった。

 要請に従い、9時までの営業とするという飲食店経営者の40代男性は「(9時前でも)お客さんは来ない。通常だとゴールデンウィークでにぎわうけど、今年は開店してても休業状態だろう」と肩を落とす。相次ぐクラスターの影響で、これまでも予約のキャンセルが続いていたという。

 対象は接待を伴う飲食店と、酒を提供する飲食店で、約800店。協力した飲食店には協力金として、売上高や規模に応じて1店舗1日あたり2万5千円~20万円が支払われる。「補償で何とかやっていけるかどうか。ただ街に人がいないから、営業努力でどうにかなるものではない」

 青森市は対象店舗にチラシを配って周知を図るが、どの程度が協力してくれるかはわからないという。

 店側からは時短要請の期間が短いことへの不満もある。四つの居酒屋を経営する小林達哉さん(29)は「1カ月間でまとまった協力金が出るなら、感染拡大を抑えるために休業しようと思っていた」というが、「連休だけだと営業するしかない」とため息をつく。期間中は1店舗に絞って時短営業をする予定だ。(吉備彩日、土肥修一)

 時短要請の対象区域が限定的だったことにも不安の声があがる。

 本町周辺、古川地区の居酒屋は23日以降、連休中の予約問い合わせが多く寄せられており、本町からの客の流出を感じている。店主の桜庭康さん(33)は「次の犠牲者はこっちなのかなと恐怖を感じるが、閉めると生活が成り立たない」と困惑気味に話す。

 桜庭さんらは26日、要請区域の拡大を求める署名と嘆願書を県と市に提出した。区域外の店で感染が拡大する懸念を多くの店が抱いていること、自主的に休業すると「店で感染者が出た」と風評被害に遭うリスクもある状況などに触れ、拡大を求めている。安方、新町、古川、青柳、堤町などから、約170の飲食店の署名が集まった。

 青柳・堤町で署名を集めた飲食店経営の小山純さん(39)は、要請決定前から「今本町は怖いから」と来店する客が増えていたといい、「そこで本町への時短要請をやられると、もっと増える」と危機感をあらわにした。署名活動をまとめた工藤健一さん(44)は「時間がない中でも、飲食店のみなさんと共通認識ができてよかった。思いや要望は県や市に伝えられた」と話した。

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