再発患者が流したうれし涙 原告を逆転勝訴にした最高裁

有料会員記事

阿部峻介
[PR]

 乳幼児期の集団予防接種によるB型肝炎が再発し、国を提訴したときには損害賠償を求められる期間が過ぎていた――。26日の最高裁第二小法廷の判決は、こうした原告2人の状況をふまえ、請求権を失う除斥期間(20年)の起点を最初の発症時でなく「再発時」とし、原告の逆転勝訴とした。同じ問題を抱える各地の再発患者の訴訟にも影響を与えそうだ。

「認められない恐怖感あった」 B型肝炎再発の原告男性

 「このまま認められないんじゃないかという恐怖感があった。判決が出たときは、うれし涙が出た」。原告の平野裕之さん(62)は、都内の会見で喜びを語った。

 福岡市職員だった平野さんは1987年、食堂で突然の脱力感に襲われた。救急車で運ばれ、慢性肝炎と診断された。2年ほど投薬治療を続けていったん治まったが、2007年になって再発。休職と復職を繰り返し、56歳で早期退職した。

 提訴した08年には、最初の発症から20年間が過ぎていた。除斥期間の起算点が争点になり、一審・福岡地裁は「再発時」と認定。国に賠償を命じたが、福岡高裁は「最初の発症時」として逆転敗訴とした。

損害賠償を求める権利、まだある

 この日の最高裁判決は、原告の症状が再発する仕組みは医学的に解明されておらず、最初の発症時に再発時の賠償を求めることは「不可能だ」と指摘。今回のケースでは再発時の症状は発症時と「質的に異なる」と認め、原告の訴え通り再発時を除斥期間の起算点とし、まだ請求できるとした。裁判官4人の全員一致の判断だった。

 裁判長を務めた三浦守裁判官は補足意見で、今回と同じ争点を抱える別の再発患者を含め、国が救済策を模索すべきだと指摘。「極めて長期の被害に鑑みると、(今回と)同様の感染者の問題も迅速かつ全体的な解決を図るため、国は関係者と必要な協議を行うべきだ」と言及した。

 厚生労働省の推計によると…

この記事は有料会員記事です。残り462文字有料会員になると続きをお読みいただけます。