沈没事故、子ども助けた漁師 「海恐れないで」続く交流

堅島敢太郎
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 香川県坂出市沖の瀬戸内海で昨年11月、修学旅行中の小学生ら62人が乗った旅客船が沈没した事故で、救助にあたった漁師らに26日、海上保安庁長官感謝状や知事感謝状が贈られた。

 感謝状を受け取った岩黒島の漁師中村小次郎さん(73)は、事故発生時は自宅にいたが、妻の「船を出して」の声ですぐに海に出た。

 現場に到着すると、多くの子どもたちが救命胴衣を着けて海に浮かんでいた。「あの子を先に」と、互いに譲り合う子どもたちを船に引き上げ、20人ほどを港に運んだ。

 事故の後も、子どもたちとの交流が続いている。中村さんの胸に付けられた黄色いリボンは「宝結び」と呼ばれるお守りで、子どもたちが漁の安全を願って手作りしてくれた物だ。

 3月下旬にはブルーシートで作った水槽に魚を展示した「小さな水族館」をつくり、子どもたちを岩黒島に招いた。「海を恐れないで、生き物がたくさんいる海を好きでいてほしい」

 与島漁業協同組合代表理事の岩中高夫さん(75)も「(漁師ら)みんなの助けがなければ救助はできなかった。このように表彰してもらえるとは思わず、とてもありがたい」と話した。(堅島敢太郎)