阪神水族館の柱、無人島に 未踏の山を登頂した感覚?

真野啓太
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 戦前の沖縄の人や風景を写した写真165枚が、朝日新聞大阪本社(大阪市)で見つかった。戦前の沖縄の写真は戦災で多くが失われ、まとまった形で見つかるのは珍しい。その中から選んだ写真を紹介する。

 柱には「魚類採集記念柱」、旗には戦前、兵庫県西宮市にあった「阪神水族館」の字が見える。1939(昭和14)年ごろ、那覇市の沖合十数キロにある無人島ナガンヌ島=渡嘉敷村=で撮られた。同館の堀家邦男館長(当時)らが熱帯魚を捕ったときに建てたとみられる。

 堀家館長の手記には、沖縄行きはジュゴンが目当てだったとある。水族館の歴史に詳しい溝井裕一・関西大学教授は、写真のような柱を他では見たことがないといい、「帝国主義時代の水族館は、より遠くの、より珍しい生き物を収集することを好んだ。未踏の山を登頂したときのような感覚で柱を建てたのではないか」と話す。島の管理者によると、柱は現存しない。(真野啓太)