「多少の談合は良いと思った」 医薬品入札で大手業者

金子和史
[PR]

 独立行政法人地域医療機能推進機構」が発注した医薬品の入札で談合したとして、独占禁止法違反(不当な取引制限)の罪に問われた医薬品卸大手スズケン(名古屋)と同社の元幹部ら3被告の初公判が27日、東京地裁であり、いずれも起訴内容を認めた。検察側は同社に罰金3億円を求刑するなどし、即日結審した。この事件では他にも卸大手2社と元幹部ら4人が起訴されており、公判が開かれるのは今回が初めて。

 検察側は、犯行を主導したとする中原岳志・元常務執行役員病院統括部長(61)に懲役2年、伊藤哲也・元同部副部長(54)と大島克彦・元同部広域病院課統括課長(59)に懲役1年6カ月を求刑した。

求刑は罰金3億円

 検察側の冒頭陳述によると、3被告は機構が運営する57病院に医薬品を納める2016年と18年の入札で、他社の担当者と都内の貸会議室や喫茶店で会って受注調整することを確認。目標とする各社の受注シェアを設定した上で、目標に近づくようにそれぞれが受注する医薬品を決め、事前に入札金額の情報を交換していた。中原被告は被告人質問で「業界の商習慣で多少の受注調整はしてもいいと思った」と語った。

 検察側は論告で、機構との契約価格は市場の実勢価格として薬価の改定に影響を与えると指摘し、「公共性が高い分野における談合で国民経済に大きな影響を与えた」と批判した。弁護側は、医薬品卸は製薬会社と医療機関の板挟みになって利益を得づらい構造があり、業界の存続を図るためだったと訴えた。(金子和史)