【2日目詳報】「逃がさん」名人 働かぬ挑戦者の金と銀

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村上耕司 佐藤圭司 村瀬信也 高津祐典
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 渡辺明名人(37)=棋王・王将と合わせ三冠=に斎藤慎太郎八段(28)が挑戦している第79期将棋名人戦七番勝負第2局(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛、九州電力、QTnet協力)は28日午前9時に福岡県飯塚市の麻生大浦荘で再開された。

拡大する写真・図版熱戦を繰り広げる渡辺明名人(右)と斎藤慎太郎八段(左)=2021年4月28日午後、福岡県飯塚市、迫和義撮影

 27日に渡辺名人が長考の末に封じた51手目は何だったのか。再開前に立会人の塚田泰明九段(56)が封じ手を開封する。対局は昼食休憩と夕方の30分の休憩をはさみ、28日夜までに決着する見込み。(村上耕司)

渡辺名人の快勝、勝負のポイントは?豊川孝弘七段の「ナウい解説」【第79期将棋名人戦第2局】

渡辺名人インタビュー

 終局後の渡辺名人への一問一答は次の通り。

 ――相懸かりの戦型で▲3七桂(33手目)が新手。用意の作戦だったのか。

 「あの局面になったらという予定でやっていた」

 ――その後、△9五歩(34手目)と仕掛けられた展開は?

 「あまり例のない将棋なので、焦点がはっきりしないと思っていた。指し掛けの夜には、攻め合いのスピードを考えていた」

 ――封じ手(51手目▲6五飛)のタイミングで長考になった。そのあたりは迷っていたのか。

 「本譜の▲6五飛△2四飛の次の手がかなり難しいところだったので、そこがちょっと決まらないので、▲6五飛の段階で封じ手にした」

拡大する写真・図版第2局を制した渡辺明名人=2021年4月28日午後5時29分、福岡県飯塚市、迫和義撮影

 ――▲6五飛のところで、控室では▲1五飛もあるのではと言っていたが、考えなかったか。

 「それは全く考えていなかった。▲6五飛と指して、何か指されたときに時間内で決まらないと思ったので(封じ手にした)」

 ――2日目に入ってからは予定通りの進行だったのか。

 「▲9四歩(53手目)を突いて、▲7四歩(57手目)を打って、△8五桂▲7六銀(59手目)くらいは相場かなと思った。そこで手が広いので、形勢判断を含めて分からなかったので、またやられてから考えようと思っていた」

 ――封じ手のところで▲7六銀あたりまで想定していたのか。

 「▲7六銀ぐらいまではお互いしょうがないところかなと思った」

 ――リードしたと思ったのはどのあたりだったか

 「▲8一飛成(69手目)と飛車が成れたあたりでは攻めがつながった感じになったので」

 ――その後、慎重にやろうという意識だったのか。

 「簡単な寄せではなかったので、寄せのところにちょっと時間がかかった」

 ――これで1勝1敗になった。第3局に向けては。

 「タイに戻すことができたので、また来週、また5月の連戦になるが、頑張っていきたいと思う」

斎藤挑戦者インタビュー

 終局直後の主催社インタビューのうち、敗れた斎藤挑戦者の一問一答は以下のとおり。

 ――後手番で相懸かりを受けて立つ展開になった。序盤で▲3七桂(33手目)に結構考えたが、序盤は?

 「▲3七桂に対してどう指すか、なかなか難しくて。本譜(の順)をやると、止まらなくはなってしまうかなと思ったのですが。ギリギリ互角なのでは?と期待して、仕掛けていきました」

 ――その後、どちらの攻めが早いか、みたいなところもあったと思う。△2八角(42手目)~△1九角成(44手目)から、飛車取りに△1七馬(50手目)と引いて、次の手が封じ手という展開になった。あの辺りは?

 「割と自然に進めたつもり、といいますか。一応、読み筋どおり進めてはいたんですが、(この進行の)最後の▲7六銀(59手目)の厳しさが、ちょっと気付けていなかったのが大きかったのかなと思います。(▲7六銀の局面で)どうやるべきか、そもそも、その前に(手を)変えないといけなかったのか……。いずれにしても、▲7六銀でちょっと困ってしまったというところはありました」

拡大する写真・図版第2局は敗れた斎藤慎太郎八段=2021年4月28日午後5時35分、福岡県飯塚市、迫和義撮影

 ――▲7六銀でなく、別な手を考えていた? 攻め合いとかを考えていた?

 「(▲7六銀の直前に指した)△8五桂(58手目)と跳べれば、どうかな?っていうぐらいで(読みが)止まってしまっていたので。一歩、読みが甘かったのかなと思います」

 ――その後、自陣に駒を何枚か打ったり、粘りの姿勢を見せた。光明を見いだせそうなところはなかった?

 「飛車を成られちゃったんで(=69手目▲8一飛成)、なかなか厳しいというか。こうなると(敵陣に侵入させていた)2八馬も使えなくなってしまっていますので。その辺りは、ちょっと厳しかったと思います」

 ――これで、1勝1敗のタイとなった。第3局以降に向けて、ひとこと。

「次局がすぐに来る(=第3局は5月4、5日)というところがありますので、そこに向けて気持ちを切り替えてといいますか。本局は少し良いところが無かった気がしましたので。より良く内容をしていければな、と思っています」(佐藤圭司)

17:27

名人が勝利

 福岡県飯塚市の麻生大浦荘で27日から指されていた第79期将棋名人戦七番勝負第2局は、28日午後5時27分、渡辺明名人(37)=棋王・王将と合わせ三冠=が91手で挑戦者の斎藤慎太郎八段(28)に勝ち、シリーズ成績は両者1勝1敗のタイとなった。第3局は5月4、5日に名古屋市の「亀岳林 万松寺」で指される。(佐藤圭司)

拡大する写真・図版終了図(91手目▲6二飛まで)

■間もなく終了[17:25]…

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