忌避感情や情報不足… 世界のワクチン分配を妨げるもの

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聞き手・野口憲太
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 世界で新型コロナワクチン接種が進むなか、課題となっているのが、「公平な分配」をいかに実現するか、ということだ。ワクチンが行き渡るために、取り除くべき障壁はどこにあるのか。ワクチン分配のしくみを、独立した立場で検証する世界12人の委員の1人、国立国際医療研究センターの蜂矢正彦医師に聞いた。

 ――12人の委員の1人に選ばれました。どんな役割があるのでしょうか。

 Independent Allocation of Vaccines Group、略してIAVGの一員です。

 正式な日本語名はまだないと思いますが、直訳すれば、「独立ワクチン分配グループ」でしょうか。

 私たちは、世界保健機関(WHO)などが主導するワクチン分配の仕組み「COVAXファシリティー」の計画が、公平に、正しく行われているかどうかを、独立した立場で検証します。

 IAVGの委員は、特定の国や組織、企業や研究所を代表するのではなく、個人として活動します。私も、国立国際医療研究センターに在籍していますが、あくまで所属先というだけです。

 完全にボランティアなので、会議が夜遅くでも、通信費も電気代もすべて自腹です。

 ――これまでどのような活動を?

 分配計画に事前に目を通したうえで、委員の間で修正すべき点を話しあいます。ペースとしては一月に2回ほどです。

 COVAX自体の目標は、2021年内に各国の人口の20%にワクチンを分配することです。

 そこへ至るプロセスで、少数の国に供給が偏らないように目を配ります。実際にはIAVGの活動ははじまったばかりなので、本格的に役割を果たすようになるのはこれからです。

 ――なぜ公平な分配が大事なのでしょうか。

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