暴言、たたく、宛先表示「クズ」…弁護士のパワハラ認定

大平要
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 川崎市内にあった法律事務所に所属していた男性弁護士(35)が、事務所を経営する男性弁護士(55)から長期間のパワハラを受けたとして慰謝料などを求めた訴訟で、横浜地裁川崎支部は27日、経営者によるパワハラを認定し、慰謝料など計520万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 被害者は司法修習を終え、2011年12月から16年3月までこの事務所に所属。判決は、13~16年ごろに、経営者が被害者の胸ぐらをつかみ「うそつきやろうが」などと大声を出しながらロッカーにたたきつける▽指示棒やスリッパでたたく▽メールの宛先表示を「クズ」と設定する▽ADHD注意欠陥・多動性障害)に関する書籍を渡して「常識を持って行動しないと笑われる」とメッセージを送信▽懲戒請求の可能性をちらつかせて「てめえなんか無資格者にしてやるぞ」と叱責(しっせき)――などの行為をしたと認定。「優越的な立場を利用し、適正な指導の範囲を逸脱して行われたもので、違法なハラスメント行為にあたる」と指摘した。

 被害者側は、所属して2年目の途中から給与が支払われていなかったとして、その支払いも請求。判決は「独立の事業者」だとして給与支給は退ける一方、事務所が依頼を受けて被害者が担当した事件について、業務委託報酬を支払うことも命じた。

 被害者側は「一部認められていない部分は高裁の判断を仰ぎたい」として控訴する方針。経営者側の代理人弁護士は「判決文をみていないのでコメントは控えたい」とした。(大平要)