被災地支援、自治体の枠超え派遣制度 熊本地震後に誕生

有料会員記事熊本地震

渡辺七海
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 災害時に自治体の枠を超えて職員を派遣し、被災地の行政を支える仕組みが実績を重ねている。2016年の熊本地震をきっかけに国が18年に創設した「災害マネジメント総括支援員」制度で、これまでに国内六つの災害で派遣された。ただ、支援員の数が十分でない自治体はまだ多く、国は要件の緩和や研修の充実で普及を図る。

 総括支援員には、自治体の推薦を受けた職員が総務省消防庁の研修を受けて登録。災害時に被災自治体へいち早く入り、必要な人員や業務を把握してスムーズな支援につなげる。総務省公務員課によると、登録者は3月末時点で304人。18年の西日本豪雨以降派遣され、総括支援員を含むチームは19年の房総半島台風で延べ308人、東日本台風で延べ573人が被災地に赴いた。

 5年前の熊本地震では、九州地方知事会が中心となり、被災市町村ごとに支援を担当する県を決める「対口(たいこう)支援方式」を採用。応援職員の迅速な派遣で、行政機能が持ち直したことなどから、総務省が、支援に先立って現地に入る総括支援員の制度を立ち上げた。

 総括支援員の登録は、要綱で「都道府県と政令指定都市の職員を基本」とし、現在47都道府県と20の政令指定都市すべてに配置されている。ただ、登録者数は十分とは言えない。

 総務省は、派遣期間が平均3週間に及ぶことから1自治体につき3人以上の登録が望ましいとするが、2人以下は19都道府県、7市に上る。近年は深刻な災害が頻発しており、支援員の確保は急務だ。

 登録者を増やすため、今年度、年2、3回だった研修をオンラインでいつでも受けられるようにする。さらに、管理職以上だった対象者を「所属部署の管理運営に携わる人」とし、事実上、役職を問わず登録できるようにした。

 総務省公務員課の担当者は「災害が国内で頻発するなか、なり手を増やしていかなければならない。必要性も訴えていく」と話す。

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