教科書でおなじみの最澄像 所蔵の古刹はモミジの名所

久保智祥
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一乗寺(兵庫)

 天台宗の宗祖・伝教大師(でんぎょうだいし)最澄といえば教科書にも掲載されるこの姿を思い浮かべる人が多いだろう。一乗寺(いちじょうじ)に伝わる国宝の聖徳太子及び天台高僧像全10幅のうちの最澄像だ。繊細華麗な画風は平安時代後期の高僧像を代表する優品。ただし、実物は博物館に預けられており、寺では京都の便利堂がコロタイプという印刷技術で精密に再現した複製画=写真=が宝物館に展示されている。太田実秀住職(84)は「伝教大師は一隅を照らす人が国宝だとおっしゃいました。法話ではお仕事や勉強をそれぞれの場所で一生懸命に取り組んでくださいとお伝えしています」。

 蓮華(れんげ)の八葉の形に似るという法華山に寺はある。青モミジや紅葉の名所だという山上への石段を登ると、承安元(1171)年の銘をもつ優美な国宝三重塔や、西国三十三所26番札所の壮麗な本堂(大悲閣、国重要文化財)がたつ。山間に息づいてきた祈りの歴史を感じた。(久保智祥)

 《メモ》兵庫県加西市坂本町、電話0790・48・2006。姫路駅から神姫バス「法華山一乗寺」下車。拝観料500円。宝物館はFAX(0790・20・4333)で事前予約が必要。別途500円。