第1回ベラルーシ首都に覆面警察 震える人々、見せしめ急増
ミンスク=喜田尚
強権体制が続く旧ソ連のベラルーシで、ルカシェンコ大統領に対する抗議活動への弾圧が激しさを増している。当局が国内外のメディアの取材を厳しく規制する中、3月末、記者が首都ミンスクに入った。
ミンスクで3月27日午後、反政権派が「欧州最後の独裁者」と呼ばれるルカシェンコ氏の退陣を求め、デモを呼びかけていた。大規模なデモの呼びかけは昨年12月以来3カ月ぶりだった。
SNSにさらされた記者 ドイツメディア記者は拘束された
中心部からやや離れ、大きな公園に面したロータリー交差点。厳戒態勢で街は静寂に包まれているのに、この周辺だけ人通りが増えていく。SNSで流れる集合場所が直前に別の場所からここに変更されたのだ。
周辺には商業施設やレストランが並ぶ。抗議のシンボルである白と赤の旧国旗やプラカードは見えない。持っているだけで捕まるからだ。デモの参加者と、ショッピングや食事を楽しみにきた人との区別はつかない。
突然、窓に膜が貼られ中が見えないマイクロバスが1台、2台と到着し始めた。黒い覆面やヘルメットをつけた警察の特殊部隊員らが次々飛び出し、その場にいた人々を連行していく。デモ参加者かさえ確認していないように見える。逃げた男性が集団で追いかけられ、地面に組み伏せられた。
道を歩く人々の顔が恐怖で引…
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