日本からの寄付「希望の光」 ミャンマーから感謝の手紙

有料会員記事ミャンマーはいま

バンコク=乗京真知
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 「日本の友人が見せてくれた慈悲は、一筋の希望の光です」。ミャンマー支援のクラウドファンディング(CF)を立ち上げた日本の研究者のもとに、ミャンマー市民から一通の手紙が届いた。「ミャンマーにとって最も苦しいこの時」に日本で寄付が相次いでいることを知り、感謝の言葉をつづっている。

 「寛大なる日本の友人たちへ」と題するビルマ語の手紙が届いたのは4月11日。CF「緊急支援:クーデター下のミャンマー市民へ医療・食料支援を。」(https://readyfor.jp/projects/justmyanmar21/comments別ウインドウで開きます)を立ち上げた今村真央・山形大教授(48)がメールで受け取った。手紙には国軍への抵抗を示す「3本指」の絵も描かれていた。

 送り主の慈善活動家は、ミャンマーで避難民の支援などに携わってきた男性(44)で、ミャンマー情勢に詳しい今村教授の連絡先を以前から知っていた。男性は日本で寄付が広がっていると聞き、感謝の気持ちから手紙をしたためた。

《ヒロシマ、コウベ、フクシマなど、日本は悲劇的な損失や災害に何度も直面してきました。そのせいでしょうか、日本の皆さんが他人の苦痛に対して非常に繊細なのは。いかにして逆境から――灰の中からでさえも――勇気を持って立ち上がることができるかを、私たちは日本の皆さんから学んできました》

 《ミャンマーにとって最も苦しいこの時に、日本の友人が見せてくれた慈愛と慈悲は一筋の希望の光です。いま我々は民主主義と自由を得るために命がけで闘っています。どうか支援を続けてください。いつの日かミャンマーも国際社会の責任ある一員になります。》

「日本の善意が支えに」

 手紙を書いた男性が4月18日、朝日新聞の電話取材に応じた。男性は、2月1日のクーデター以降に700人以上の市民が犠牲になっていることについて、こう語った。

 「700という数字の裏にある、一人ひとりの人生に思いをはせます。わずか7歳で命を奪われた女の子、デモの最中に撃たれた19歳の女性チェーシンさん、39歳の男性詩人……。子供を持つ母親たちも、実弾が飛び交うデモの最前線で抗議していますね。なぜでしょうか。それは、ミャンマー市民、特に若い世代の人たちが、未来を担うのは自分だという自覚を持っているからです。将来の子供たちのために、自分が闘わなければならないと言って、最前線に立っているのです」

 「ヤンゴンで、いま咲き乱れている、あの黄色い花の開花を、誰も止めることができないのと同じで、自由と民主主義を守ることに命をかけているミャンマー市民の願いを止めることは、誰にもできないのです」

 男性は、ミャンマー市民が最も求めているのは「国際社会の助け」だと言う。「国軍の残虐行為を黙認しているのは、国連安保理の制裁発動に後ろ向きな中国やロシアだけではありません。非難を口にしても、座して眺めている国々も同じです。日本政府は、いつ、この人道危機に対して、手を差し伸べてくれるのでしょうか」と問いかけた。

 職務を放棄して国軍に抵抗する「不服従運動」の参加者は、収入を失い、食べるものにも困っているという。国軍に村を爆撃され、避難生活を送っている少数民族もいる。ケガ人の治療や、子供の心のケア、教育の継続などには、外からの支援が欠かせないと、男性は訴えた。

 「小さな善意が、人々の生きる支えになります。どんなに少額でも、それを支えに生きていく人がいます。今日をなんとか生きれば、明日が見える。生き続ければ、未来がある。日本の寄付は、そう信じる人たちの命綱なのです」

 5月5日まで続くCFには…

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