タテカン排除、色んな意味で嫌 京大出身の平野啓一郎氏

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永井啓子
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 京都大吉田キャンパス(京都市左京区)の周囲に並んでいた名物の立て看板、通称「タテカン」。半世紀以上の歴史を持つが、「屋外広告物」に当たるとした市の行政指導を理由に撤去されて3年になる。京大出身の作家、平野啓一郎さんにタテカンへの考えを聞いた。(永井啓子)

京大にあった、高校とは正反対の自由

 ――タテカンのある風景がなくなったことをどう見ていますか。

 タテカンっていうのは、大学生なりの自己表現の場です。すごく馬鹿なものもあるし、政治的なものもある。それらが外から見えるのが、学生の街の京都の良さだったと思います。営利活動の看板とは違います。キャンパスの広さも全然違います。あのへんでお店をやってる人たちが「うちはこんな小さな看板で我慢しているのに、なんで京大だけ、あんなでかい看板だして」と怒るかって、別に怒らないでしょう。

 タテカンを排除して、いったい何が得られたのか。単にのっぺらぼうの風景が出現しただけのこと。僕の違和感は、大学と行政が何を目指しているのか分からない、という一点に尽きます。

 ――在学中はどう感じていましたか。

 北九州の田舎から京大に入り…

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