「まごチャンネル」が「リアルの代替」ではない理由

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奥山晶二郎
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メディア空間考 奥山晶二郎(withnews編集長)

 インターネットにまつわる記事を扱う時にいつも悩むのが、「ネットでは」という表現だ。総務省の調査によると、2019年の「インターネット利用率(個人)」は89.8%。「ネット」とは別に「リアル」があるように思われがちだが、もはや「ネット」の世界の出来事は「リアル」そのものと言える。果たして「ネット」と「リアル」両者を分けるものはあるのだろうか。

 答えを求めて話を聞いたのは、「まごチャンネル」を手がけるITベンチャー「チカク」社長の梶原健司さんだ。

 「まごチャンネル」は、家のテレビに携帯電話の回線が内蔵された受信ボックスをつけることで、スマホなどから送った動画や写真を見られるというサービスだ。アップルから独立した梶原さんが立ち上げ2016年から展開しているが、新型コロナウイルスによって帰省ができない人がいる中、利用者が増えているという。

 遠方に住む孫と祖父母。会えない家族同士をネットを通じてつなげる「まごチャンネル」を生みだした梶原さん。ネット上のコミュニケーションについて誰よりも考えてきた彼なら、「ネットとリアルの境界線」についてヒントをくれるかもしれない。

 「うーん、哲学的ですね……」。質問をぶつけると、そう考え込んだ梶原さんは、取材日の前日に開いたという「Zoom飲み」について話しはじめた。

 コロナ後から、大学時代の仲…

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