バーで「お酒提供駄目」は事実上、休業要請?国会で論戦

西村圭史、菊地直己
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 緊急事態宣言に準じる「まん延防止等重点措置」の適用地域で酒類やカラオケ提供の自粛要請が可能となり、バーやカラオケ店への「事実上の休業要請」となっていることに国会で「手続き上、問題がある」との批判が出ている。新型コロナウイルス対応の特別措置法上、重点措置に休業要請は含まれず、「脱法行為」との指摘が上がる。

 政府は23日、休業要請が可能な緊急事態宣言を4都府県に出すことを決定した。一方、東京に隣接する埼玉、千葉、神奈川といった重点措置の適用地域に酒類やカラオケ目当ての客が流出することを懸念。同日、重点措置地域でも酒類とカラオケ提供の自粛要請を可能とする、厚生労働省の告示の改正を行った。

バーとカラオケは事実上の休業要請?

 これを野党が問題視した。立憲民主党後藤祐一氏は28日の衆院内閣委員会で、「飲酒を中心とするバーに対して、お酒を提供することはできませんと。事実上の休業要請ではないか」とただした。無所属の高井崇志氏は「カラオケ店で機器が使えない。これは営業そのものの規制ではないか」と問うた。

 だが、野党のこうした質問に西村康稔経済再生相は「営業そのものを制限するのではなく、営業のやり方に関する規制だ」「営業時間の変更よりも私権制限の程度は低い」などと反論。バーやカラオケ店でもソフトドリンクや食事の提供は可能であり、「事実上の休業要請」にはあたらないとする考えを示した。

法律上の問題指摘

 野党がこだわるのは、本来は緊急事態宣言でなければできない休業要請を、それに準じる重点措置により事実上、可能としていることが法律上問題とみるからだ。共産党塩川鉄也氏は同委で「告示で追加する形で重い私権制限をかけるのは、法に逸脱する行為だ」と訴えた。高井氏も、「知らないうちにこっそり告示が改正されて強大な私権の制限が行われる。法改正でやるべきだ」と訴えた。ある官邸幹部は「緊急事態宣言も重点措置も、結局あまり変わらない措置になった」と漏らし、「線引き」のあいまいさについて認めざるを得ない状況だ。(西村圭史、菊地直己)