タコの滑り台は芸術品? 類似遊具を訴えた裁判で判決

村上友里
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 公園にある「タコの滑り台」は、著作物として保護されるべき芸術品かどうか――。この点が争われた著作権侵害訴訟の判決が28日、東京地裁であった。裁判長が示した判断とは……。

 原告は、タコの足がスライダーや階段状になっている滑り台を1970年代に開発したデザイン会社(東京都)。被告の遊具製作会社(同)が、これとよく似た滑り台を許可なく都内の公園に計2台作ったことが著作権の侵害にあたるとして、約430万円の損害賠償を求めていた。

 訴訟のなかで原告側は、タコの胴体を空洞にするなど工夫を凝らした点をふまえ「不思議さ、楽しさを体感してもらうため彫刻家として創作した」と指摘。誰でも製作できるものでなく「職人の芸術的なセンス」が不可欠だと訴えた。

 被告の遊具製作会社は、安全確保のために改修されたり、色彩が大幅に変更されたりし、「一般の人は美的な鑑賞対象より遊具として評価している」と主張した。

 国分隆文裁判長はこの日、滑り台の頭や足、空洞、赤い外観について「タコを連想させ、子供たちに親しみやすさを感じさせる遊具としての機能だ」と指摘。そのうえで「遊具の性質の域を出るものではない。美術品とは認められない」と著作権の侵害にあたらないと判断して、原告側の訴えを退けた。

 原告のデザイン会社は、タコの滑り台約200台を全国に設置している。敗訴した同社は判決後の取材に「タコで始まり、タコで終わる人生だと思っている。判決は受け入れられない」と回答。控訴する方針という。(村上友里)