大道芸「ポイ」を観光資源に 和光で5月にイベント
大道芸で埼玉県和光市が地元を盛り上げようとしている。ニュージーランド先住民族の伝統芸能が発祥とされる「ポイ」。ひもの先に重りがついた道具を使うダンスはコロナ時代にマッチし、市民に浸透してきている。
旗振り役は市民活動推進課の林敬之さん(39)。学生時代の2005年、豪ケアンズで大道芸集団によるポイの迫力と美しさに衝撃を受けた。1日13時間の特訓を1週間続け、一緒に路上で炎を使ったパフォーマンスをするまでになった。
市職員になってからも、趣味のバンド活動の舞台上でポイのパフォーマンスを続けた。これが「自然にソーシャルディスタンスが保てて時代にぴったり」と、市内でイベント企画を手がける知人の目にとまった。コロナ禍で中止になった市民まつりの代わりに市が5月末に開催するオンラインの官民協働イベントの目玉企画として採用され、市も普及の後押しをすることになった。
今月3日の土曜日、子どもから高齢者まで数十人が、市役所前広場で先端にテニスボールのついたひもを思い思いに回していた。思うように体が動かなかったり、不意に体にボールが当たったりして笑い声が上がる。初対面という高齢者が小学生にやり方を尋ねる場面もあった。高校1年の谷川凛さん(15)は「見た目は迫力があって格好いいけど動きは意外と単純。突然できるようになる瞬間が快感」。
使えなくなったテニスボールや靴ひもなどを再利用した道具を有志が作り、市役所でこれまでに約300個を無料配布した。「廃材を活用できるので環境にも優しい。和光の観光資源として市全体で盛り上げていきたい」と林さん。自ら指導するレッスン動画を用意し、チラシを配るなどしてイベントの参加者を募っている。問い合わせは和光市市民活動推進課(048・424・9120)へ。(小林祝子)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。