新疆綿やめたら不買運動…屈さぬH&M支える欧州の空気

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聞き手・吉岡桂子
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経済安保 米中のはざまで(インタビュー)

 新疆ウイグル自治区の人権弾圧問題をめぐって、欧州が不信を強めている。3月には天安門事件以来、約30年ぶりに対中制裁を発動した。ビジネスを通じて関係を強化してきた中国への対応の変化は、どこから来るのか。新疆産の綿花を使わないと宣言したことで中国で不買運動にさらされている、衣料品大手H&Mの本社があるスウェーデンの国際政治学者、ビヨン・イェルデン氏に聞いた。

ビヨン・イェルデン

1981年生まれ。スウェーデン国際問題研究所アジア担当主任を経てスウェーデン・ナショナル・中国センター長。中国、日本、米国の関係を中心に分析している。ストックホルム大学博士(政治学)。上海で中国語、大阪で日本語を学び、立命館大への留学経験もある。

 ――中国の新疆ウイグル自治区の人権状況を問題視し、新疆産の綿花を使わないと宣言したスウェーデンの衣料品大手H&Mが、中国で不買運動にさらされています。中国国営メディアや中国共産党の青年組織「共青団共産主義青年団)」が批判を先導していました。H&Mは「いかなる政治的な立場も代表していない」とする声明を出しました。

 「H&Mの判断は、企業としてのCSR(社会的責任)戦略から来るものだろう。企業は利潤を追求するだけでなく、その活動が社会へ与える影響に責任をもつ必要があると考えられているし、H&Mをはじめ企業自身がそうした理念を掲げている」

 「歴史や領土の問題を抱えて、反日デモに何度もさられたような日本に比べて、欧米の企業は中国の消費者から国家主導とも言えるボイコットを受けた経験が少ない。H&Mは現在、中国で極めて厳しい立場にある。しかし、だからといって、(人権侵害が指摘される)新疆綿を再び使えば、欧米の市場で自社に対する認識や評価を損なう可能性があると考えたはずだ」

いまの中国、期待していた姿とは違う

 ――欧州連合(EU)は3月…

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