五輪選手の検査・感染対応を強化 「医療もたない」懸念

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斉藤佑介、荻原千明
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 28日に承認された選手向けのプレーブック改訂版(第2版)は、コロナ禍への国民の厳しい視線を意識して選手の検査体制などが厳格化されたが、国内の医療体制に及ぼす影響はまだ見えない。観客の有無が決まらないためだが、医療従事者への負担を減らせる「無観客」案がここへきて急浮上してきている。

選手の検温「4日に1回」→「原則、毎日」

 改定で具体的に盛り込まれたのは、選手への検査体制の強化や感染した場合の対応だ。

 選手の検査頻度は、2月の初版時点で「少なくとも4日に1回」だったが、「原則として毎日」に増やした。海外選手の出国前の検査も「72時間以内に1回」から「96時間以内に2回」に改めた。濃厚接触者と認定された場合、PCR検査での陰性、競技団体の許可などがなければ競技に参加できないとした。「緊急事態宣言が東京に出て、国民の不安は強い。厳しくすることは国民の安全安心にもつながる」と大会関係者は期待を寄せる。

 あわせて選手向けの医療施設の整備も進む。東京都中央区選手村には、24時間態勢の仮設の発熱外来や検体採取センターを設置。9都道県の43会場には130カ所以上の医務室や、発熱者を一時隔離するエアテントなどを設ける。

 感染が確認された場合の選手の入院先として、都内外あわせて20カ所以上の大会指定病院を確保する計画も明らかになった。軽症者や無症状者向けの療養施設として、選手村外の都内に約300室のホテル1棟も借り上げる予定だ。

地域医療がもたない」懸念

 ただ、東京都と大会組織委員会の交渉は必ずしも順調とは言えない。丸川珠代五輪相は27日の閣議後会見で、「東京都が、この厳しい状況の中で開催するためにどのように取り組んでいくのか、具体的なことをお示しいただいておりません」と述べた。

 大会の運営には、地域の病院や保健所の協力が不可欠だ。新型コロナの収束が見通せず、病床の逼迫(ひっぱく)が続く中、大会関係者の間では「地域医療がもたない」という強い懸念がある。

 組織委の橋本聖子会長は28日の会見で、「医療体制が今一番不安に思われている。医療スタッフの皆さんなくして開催できない。体制を整え、医療関係者への情報提供もしっかりやっていく」と述べた。

 しかし、大会会場の内外で運…

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