泉佐野が仕掛けるふるさと納税戦略 めざせ人気の返礼品

西江拓矢
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 大阪府泉佐野市は、ふるさと納税の寄付金を使って新たな返礼品を加工・製造する事業者を誘致するクラウドファンディング(CF)型の取り組みについて、泉州タオルなど既存の返礼品の事業拡大などにも使えるように広げた。新たなCF型の仕組みが注目を集め、昨年度の寄付総額を押し上げる効果があったという。

 市は27日と28日にオンラインで事業者向けの説明会を開催。担当者は、CF型の導入により、「ふるさと納税の市場全体を拡大させる」と強調した。

 市は2018年度に全国トップの約497億円を集めるなどした。しかし、「返礼品は寄付額の3割以下の地場産品」とする国の基準ができて以降は、人気の返礼品が少なく苦戦。そこで、新たな地場産品を作るため、CFを活用した仕組みを編み出した。市は、返礼品による還元と、寄付による応援を組み合わせた新たな仕組みを「#ふるさと納税3・0」と名付けている。

 CF型では、寄付額の4割を返礼品の加工場建設などの補助金として事業者に支給。3割は返礼品の代金に、残り3割を送料など市の経費に充てる。事業者にとって、初期投資の負担が減り、最初の注文も確保できるメリットがある。

 昨年度は氷温熟成肉、高級缶詰など9件のプロジェクトが立ち上がり、寄付額は計5億5千万円に。これを含めて、ふるさと納税全体では、目標の10億円を超える22億5千万円の寄付が集まった。プロジェクトが話題になることで、相乗効果があったとみている。

 市は事業者の使い勝手をよくするため、今年度、CF型について、新たな返礼品以外にも対象を拡大。市内で既存の返礼品を製造する事業者が、供給拡大のために設備を追加したり、貯蔵施設を新設したりする場合などにも利用できるようにした。市の阪上博則理事は「寄付する人と一緒に返礼品を作っていく仕組み。新たな産業、雇用にもつながる」と説明している。5月上旬から事業者を募る。(西江拓矢)