北方領土にレーニンを埋葬? ロシア地方議員投稿が波紋

大野正美
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 「レーニンの遺体を南クリル(北方領土)に埋葬しては」。4月22日に生誕151周年を迎えたロシア革命の指導者について、北方領土を管轄するサハリン州でこんな声が出ている。

 同州のネットメディア「サハリン・インフォ」によると、州都ユジノサハリンスク市議会のアレクサンドル・アニストラトフ議員(公正ロシア)が生誕記念日の翌23日、モスクワの廟(びょう)で永久保存中の遺体を「人道的に南クリル諸島、具体的には択捉島に埋葬したらどうか」と、SNSに投稿。波紋が広がった。

 同議員は「レーニンの埋葬は島を日本に返さない強力な根拠にもなる」、「世界のプロレタリアート指導者を崇拝する人々がこの地域を訪れ、お金も落としてくれる」といった効用を強調。SNSにも、「埋葬場所は、日本により近い国後島の方がよい」などの意見が寄せられている。

 レーニンの遺体をめぐりロシアでは、「母親が眠るサンクトペテルブルクの墓地に埋めるべきだ」といった議論がソ連崩壊後から活発に続いてきた。

 もっとも、択捉島ではサハリン州が7600万ルーブル(約1億1千万円)以上を投資して計画した温泉療養施設が全く稼働しないなど、南クリルでの観光開発政策には、有効性をめぐりきびしい批判が出ている。埋葬論には、そうした背景もありそうだ。(大野正美)