まん延防止、6市も開始 座間「食事だけでは利益ない」

新型コロナウイルス

上嶋紀雄、豊平森、斎藤茂洋
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 新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」について、神奈川県は28日、新たに鎌倉、厚木、大和、海老名、座間、綾瀬の6市に適用した。横浜、川崎、相模原各市と合わせ計9市の飲食店に対して、5月11日まで酒類の提供を終日停止することも要請。営業への影響を心配する飲食店がある一方、酒が出せる地域では、人が流れ込むことで感染が広がることへの懸念や、対象区域からの客が増えることへの期待もある。

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 28日夕、小田急電鉄相模鉄道が乗り入れる大和駅近くでは、休業する店舗が目立つ。大和市は横浜、相模原各市に隣接しこの日から重点措置が適用された。

 食事と持ち帰りのみで営業する居酒屋の店主(41)は「とりあえず様子をみてだめだったら休もうと。コロナは終わらないと思う。コロナとうまく付き合っていくしかない」と話した。

 「覚悟はしていた。食事だけ出しても利益が出ない」。座間市小松原2丁目で居酒屋「美の里(みのり)」を営む今井勝博さん(60)は重点措置の適用を前にこう話した。店を開いて9年目。カウンター9席、テーブル8席の店内ではカラオケができる。店を支えるのは地元の常連客。県はカラオケボックスなどを除き、県内の「カラオケ設備」を停止することも求めている。「酒とカラオケはうちのメイン。これを奪われたら営業しないでくれと言われているのと一緒」。5月11日までの休業を決めた。

 伊勢原市は区域外だが、対象区域の厚木市に接している。高山松太郎市長は26日の会見で、飲酒目的で人が流入する可能性を問われ「感染が拡大していったら本当に困る」と強調。「電車に乗ってくれば飲めるとなれば影響は出てくる。出すなら県下一斉にということが必要だ」と訴えた。

 観光地・江の島を抱える藤沢市も、対象区域に含まれなかったが、鎌倉市は対象区域。藤沢駅と鎌倉駅江ノ島電鉄で30分余り。鎌倉と江の島の飲食店をはしごする観光客も多い。

 「藤沢は鎌倉と一体。人が流れてくるだろう」。藤沢駅近くでギョーザなどを出す飲食店「丼拓(どんたく)」を営む吉塚ヨシ子さん(73)は、適用した方がいいのではと思っていた。店では酒を出していたため、売り上げ減少は避けられない。それでも、飲食店の閉店後に路上飲酒する人が多く、感染が広がるのではないかと心配になっていた。「何を根拠に区域を分けたのか。おかしいと思う」

 対象区域から外れたことで安堵(あんど)する人たちもいる。藤沢駅近くの繁華街で多国籍料理店を経営する男性(37)は「鎌倉のお客さん、大歓迎です」。居酒屋を経営する女性(59)も「お客さんの数は、コロナ前の半分以下。このままでは続けられない」と話す。県が、酒の本数や時間の制限を求めていることについては「そんなこと(客に)言えるわけがない。知事ってお酒をたしなまない方なのかしら」と話した。

 藤沢市と同じく区域に含まれない平塚市。平塚駅近くで立ち飲み店を営む50代男性も「平塚が入らなくて良かった。1杯でも多く飲んでほしい」。酒類を制限するつもりはないという。(上嶋紀雄、豊平森、斎藤茂洋)

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