砂澤ビッキのトーテムポール「キツツキ」の柱が倒壊

本田大次郎
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 北海道音威子府村に立っていた、彫刻家砂澤ビッキ(1931~89)のトーテムポール「キツツキ」の柱部分が倒壊した。

 「キツツキ」は、北海道大中川研究林の事務所前に立っていた、「思考の鳥」の3本のうちの1本。高さ約6メートルで、81年に「フクロウ」「エゾシカ」とともに制作された。2011年に顔の一部、15年には翼が地面に落ちたが、目などを含む柱部分は残っていた。4月21日朝、職員が根元から倒れているのを見つけた。

 「思考の鳥」のうち、最後まで原形をとどめていた「フクロウ」は昨年4月21日に倒壊。もう1本の「エゾシカ」も04年に倒れていた。

 中川研究林の馬谷佳幸さんは「キツツキは、トーテムポールの形を最後までとどめていただけに、残念」と話す。ビッキは、自らの野外作品を、朽ちることも含めて、自然に任せていた。倒壊した柱をどうするか、今後、北大側と村側が検討するという。

 旭川で生まれ育ったアイヌ民族のビッキは、独創的な木彫で知られる。札幌から音威子府へ制作の舞台を移したのは、1978年。そこで、北大の研究者たちと酒を酌み交わして親交を深め、事務所前にトーテムポールを立てることになったという。材料の木は、いずれも北大の研究林から切り出されている。(本田大次郎)