習氏は「専制主義者」 バイデン氏、演説で対中強硬姿勢

ワシントン=大島隆、青山直篤
[PR]

 バイデン米大統領は28日夜(日本時間29日午前)、議会の上下両院合同会議で施政方針演説を行った。就任後100日間で、新型コロナなどによる危機から脱しつつあるとして、「アメリカは再び動き出した」と宣言した。また、中国の習近平(シーチンピン)国家主席を「専制主義者」と呼び、民主主義の優位を示して中国との競争に勝つとの決意を示した。

 バイデン氏は、29日に節目となる就任100日目を迎える。演説では新型コロナの感染拡大やそれに伴う経済危機、就任前の1月6日に起きた連邦議会襲撃事件などを挙げて「危機の中にある国を引き継いだ」としたうえで、「100日後のいま、アメリカは再び動き出したと報告することができる」と成果を強調した。

 バイデン氏は「我々は21世紀を勝ち抜くため、中国やその他の国との競争の中にいる」と言及。習近平国家主席について「専制主義者の彼らは、民主主義は21世紀において専制主義に対抗できないと考えている」と述べた。中国との競争に勝利するためにも、国内の融和や中間層の復活につながる経済政策が必要だと強調した。また、民主主義の優位を示すためにも、分断を乗り越えて結束するよう国民に呼びかけた。

 最優先課題に掲げている新型コロナ対策では、就任100日までにワクチン接種が計2・2億回になると成果をアピール。接種をちゅうちょしている一部の国民に接種を呼びかけた。

 経済政策については、「この国をつくったのはウォール街金融界)ではなく、中間層だ」として、低中所得の労働者などに対する支援姿勢を強調。3月末に米議会に検討を促した総額2兆ドル(約217兆円)超のインフラ投資計画について、「第2次世界大戦以来最大の雇用計画だ」と訴え、新たな雇用創出につながると強調した。

 また、3~4歳の児童教育の無償化など、育児や教育支援などを軸とした総額1・8兆ドル規模の追加経済対策の案も示した。富裕層への増税を主な財源に充てる方針で、議会に予算措置を求めた。ただ、増税に反対する共和党の激しい抵抗は必至で、与党の民主党議員の一部からも異論が出ている。提案通りの対策を実現することは簡単ではない。

 バイデン氏同盟国と協力し、国際協調を重視して諸課題に対処する方針も改めて表明。中国に対しては「不公正な貿易慣行には立ち向かう」と述べたほか人権問題を引き続き提起する考えを示した。銃規制や警察改革、移民問題などの国内課題では、抜本改革のため必要な法案整備への協力を共和党に求めた。

 演説ではバイデン氏の後ろにペロシ下院議長とハリス副大統領が座った。米大統領の一般教書演説施政方針演説で後方に座るのが初めて2人とも女性になった。

 米国大統領は毎年、年初に議会で一般教書演説をする。就任した年の演説は一般教書演説とは位置づけないものの、同じような形式で議会で演説する。今年は新型コロナウイルスの感染拡大で開催が遅れていた。(ワシントン=大島隆、青山直篤)