「GNP世界一」の夢のあと 最古の週刊誌編集長語る

有料会員記事

聞き手 編集委員・塩倉裕
[PR]

 今の経済をつかむ時も、戦前の言論史を掘る時も、無視できない雑誌――。週刊東洋経済は現存する日本最古の週刊誌です。日本経済の120年の浮沈と、この国の経済ジャーナリズムについて、編集長の西村豪太さん(51)に聞きました。

 ――週刊東洋経済は日本最古だという話を聞きます。

 「はい。正確に言うと、現存する日本最古の週刊誌ということになります。創刊されたのは今から120年以上前、1895(明治28)年11月でした。当初の雑誌名は東洋経済新報です」

 ――東洋という言葉が印象的ですが、もはや死語になっていないでしょうか。

 「確かに、かなり古めかしい言葉だとは思います。今ならアジアと言うところでしょうね。戦前にもすでに、東亜という別の呼び方がありましたし」

 「東洋経済という名前には、創刊当時の日本人の自意識が刻まれています。創刊は1895年11月、つまり日本が日清戦争に勝利した直後でした。アジアの大国に勝ち、『東洋一の強国になった』という意識が高まったのです。戦勝で手に入れた巨額の賠償金も、日本で資本主義が勃興していく土台になりました」

 ――東洋経済といえば、軍事力でアジア各地に植民地や支配地を広げようとした戦前の日本国家のあり方を批判した雑誌として、歴史的に有名ですね。

 「ええ。世界から孤立し軍国化していった戦前日本で、雑誌の5代目主幹だった石橋湛山らが、自由と国際協調の大事さを誌上で敢然と主張しました。日本史の教科書にも載った話なので、たとえ古めかしくても『東洋経済』という看板は下ろせません」

健全な批判 経済ジャーナリズムで重要

 ――日経ビジネスや週刊ダイヤモンドなどと並んで「経済誌」と呼ばれることが多いですね。週刊東洋経済をどういう雑誌と規定しているのですか。

 「どういう性格の雑誌なのかと問われたら、経済ジャーナリズムの雑誌ですと私は答えます。経済ジャーナリズムにおいて大事なのは、健全な批判です」

 ――健全な批判とは、何をすることを指すのでしょう。

 「大企業や為政者にとって不…

この記事は有料会員記事です。残り3661文字有料会員になると続きをお読みいただけます。