「岡本行夫さんなら今、どうする」一周忌でシンポジウム

編集委員・藤田直央
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 元外交官・岡本行夫氏の一周忌を迎え、29日に追悼シンポジウムが東京都内で開かれた。岡本氏は昨年4月、新型コロナウイルスに感染し74歳で死去。出席者らは、首相補佐官としても外交・安全保障の現場を踏み、評論などで発信にも努めた功績をしのび、日本が直面する様々な問題について「岡本さんならどうするだろう」と語り合った。

 シンポは岡本氏が晩年に特別アドバイザーを務めた国際協力機構(JICA)が主催。北岡伸一理事長は「岡本さんは活動の地平を広げようとアフリカに3回行かれ、サポートしたJICAの若手がぜひ今回開催したいと原動力になった。岡本さんは戦没者への気持ちの熱い方で、次は太平洋の激戦地ガダルカナルに昨年4月に出発予定だったがコロナで行けなくなり、感染されて亡くなってしまった」と振り返った。

 日本の国際貢献が問われた1991年の湾岸戦争当時、外務省北米1課長だった岡本氏とやり取りをしたアーミテージ元米国務副長官もリモートで参加。「ユキオの姿は、問題にぶつかると我々は何をすべきかと自問自答をしたウィルソン大統領を思わせる。日本は湾岸戦争への対応を海部俊樹首相の下でちゅうちょしたが、ユキオはいろいろ考えて実行した。誰かが始めなければならず、ユキオが始めた」と語った。

 その頃の部下だった佐々江賢一郎・元駐米大使も「弟分」としてあいさつ。「岡本さんは亡くなる何年も前から、自分が生きた時代に日本が直面した問題や、今後進むべき道について本を書いていた。最期はコロナで運ばれた病室で完成を急ぎ、最終章は若者への訴えで終わっていると秘書さんに聞いた。誇りに満ちた国をつくってくれという訴えだった」と話した。(編集委員・藤田直央