のみ薬の「中絶薬」を承認申請へ 国内初、海外では普及

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神宮司実玲
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 人工妊娠中絶できるのみ薬が承認申請される見通しになった。英国の製薬会社ラインファーマが日本で最終段階となる治験(第3相試験)を進め、9割以上の確率で中絶できると確認された。追加の治験を終え次第、厚生労働省に申請する予定。認められれば国内初の人工妊娠中絶薬となるが、使い方などの面で課題を指摘する声もある。

 治験に参加したのは妊娠9週までの18~45歳の中絶を希望する女性120人。妊娠を続けるために必要な黄体ホルモンのはたらきを抑える薬ミフェプリストンを1錠のみ、2日後に子宮を収縮させるはたらきがある薬ミソプロストール4錠を服用した。

 その結果、112人(93・3%)で、24時間以内に胎児を包んだ胎囊(たいのう)が体の外に出てきた。ほかの8人のうち3人は24時間以内に胎囊が出たが一部は子宮内に残り、手術で外に出した。5人は24時間たっても胎囊が出ず、4人は本人の希望で手術で中絶した。1人は48時間以内に胎囊が出た。

 71人(59・2%)は治験中に有害事象(あらゆる好ましくないできごと)が起き、このうち45人(37・5%)は薬と因果関係がある副作用とされた。いずれも回復し、9割以上は軽度か中等度で、下腹部痛(30・0%)と嘔吐(おうと)(20・8%)が多かった。1人は中等度の副作用(出血による貧血など)があった。

 治験に参加し、この結果を4月にあった日本産科婦人科学会で発表した、東京大の大須賀穣教授(産婦人科学)は「海外と同等以上のデータだった」と指摘。産むか産まないかなど、生殖に関わることを自分で決められる考え方「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)」が求められる中、「日本でも、世界的に安全で有効として広がっている中絶薬を求める声があった。女性がそれぞれのニーズに合わせて中絶の方法を選択できる幅が広がるのではないか」と期待する。

 ラインファーマによると、現在は追加治験を実施し、薬の成分の血中濃度がどう推移するかを外国人と比べている。これが終われば、国内での販売に向けて承認申請するという。

■海外では普及、WHOも推奨…

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