パレスチナ、15年ぶりの議会選延期 アッバス議長発表

エルサレム=清宮涼
[PR]

 パレスチナ自治政府のアッバス議長は4月30日、5月22日に予定されていた自治評議会(議会)選挙を延期すると発表した。イスラエル領有権を争う東エルサレムでの選挙の実施が保証されない限り、行わないとしている。選挙実施に合意していたイスラム組織ハマスや市民からは反発の声が出ており、緊張が高まるのは必至だ。

 議会選は実施されれば2006年以来、15年ぶりとなるはずだった。ロイター通信によると、アッバス議長はこの日、「エルサレムの人々の参加が確約されない限り、選挙を延期することを決めた」と述べた。

 イスラエル側は東エルサレムでの選挙実施を許可しないとみられる。今年7月31日に予定されている16年ぶりの議長選の実施も見通せなくなっている。

 議会選を延期する本当の理由は、アッバス氏が敗北を恐れたためとの見方が広がっている。議会選には、アッバス氏率いる主流派ファタハのほか、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するハマスや、ファタハから分離したグループが候補者擁立を予定。混戦が予想されていた。

 パレスチナ自治区ラマラでは4月29日夜、選挙延期に反対する人々が抗議の声を上げていた。ハマスは30日、声明で「一つの党派によって、(選挙を行うという)国民的な合意が人質にとられるのを認めることはできない」と強く反発した。

 前回06年の議会選ではハマスが初めて選挙に参加し、ファタハを破って大勝した。両派の武力衝突に発展し、07年にはハマスがガザ地区を制圧。以降、パレスチナの分裂が続き、選挙が行われていなかった。(エルサレム=清宮涼