不協和音が切り取った「時代」 秋元康さんが伝えたこと

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 AKB48や乃木坂46などを世に送り出した秋元康さんは、その歌詞で時代のムードを切り取ってきたプロデューサーだ。2020年代の「いま」をどう感じているのか。作家、真山仁さんが連載「Perspectives(視線)」の番外編として秋元さんにインタビューした。

真山仁さん連載「Perspectives:視線」番外編

 昨年末に連載終了した「Perspectives 視線」では、唯一の心残りがあった。

 AKB48や乃木坂46などを世に放ったプロデューサー、作詞家の秋元康について書けなかったことだ。独自の構想力で時代のムードを切り取る秋元が、2020年代をどのように感じているのか、ぜひ聞いてみたかった。

 だが、番外編として、この企画が実現した。

 AKB48を結成した当時、「アイドルを作りたいのではなく、時代を作りたい」と、秋元は語っていた。

 「じゃあ、今の時代をどう言えばいいんだろうか、を言葉にするのが僕の仕事だと思っています」

 現代の日本社会では、同時代を生きている実感が希薄になっているのではないか、という危機感が私にはある。

 「個の時代が広がっているという実感は、僕にもあります。僕らが若い頃なら、ラーメン屋に入ったら、みそか、しょうゆか、塩の味を選ぶ程度でした。でも、今は、味だけではなく、麺の硬さまで選べる。それを『個の時代』の一例と取るか、ラーメンを食べるという点では、同じことじゃないかと取るか。しかし、同じ空の下で、老若男女が生きているという意味では、共通項がある」

 秋元の話は、とにかくわかりやすい。深刻さなどみじんも感じさせないのに、その根元では、「時代」の真ん中を、ざっくりと切り取っている。

「個」の時代のはずなのに、なぜか気になってしまう「みんな」。記事後半で、秋元康さんはインターネットが「みんな」の存在を実態化させてしまったと話します。「だからこそ、『みんな』に異を唱えよと、欅坂46というアイドルグループを世に出したのでは」。そんな真山さんの問いに、秋元さんはーー。

 同じ現象でも、視点が変われ…

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