緑の世界に染まりたい 見上げて、潜って、ときめいて

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取材班(田辺拓也、上田潤、西岡臣、筋野健太、小林裕幸、矢木隆晴、細川卓)
【動画】奈良の秘境に緑が溶け込む神秘の池=細川卓、矢木隆晴、田辺拓也撮影
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 例年より早く桜前線が通り過ぎ、まぶしい新緑の季節を迎えた大型連休。コロナ禍で2年連続の外出自粛が求められ、お出かけもままなりません。コロナ疲れでストレスがたまる日々の癒やしになればと、各地の新緑はもちろん、動物や工芸品など、記者がおすすめする七つの美しい緑の世界をお届けします。

写真・図版
「龍王ケ淵(りゅうおうがぶち)」の水面に、緑の木々が映し出された=2021年4月21日午前、奈良県宇陀市、ドローンで田辺拓也撮影

奈良の池にレアな絶景

 奈良の山中に緑の絶景が撮れる池がある。そんな話を聞き、「緑の写真企画にぴったりだ」と取材を決めた。ドローンで撮影するため、操縦者、撮影者、安全監視員のカメラマン3人で撮影に向かった。

 池の名は「龍王ケ淵(りゅうおうがぶち)」。奈良県宇陀市にあるスギやヒノキに囲まれた自然池で、風がぴたりと止まると、水面に上下反対の世界が出現する。その不思議な風景に写真愛好家はもちろん、「SNS映え」を求める若者や家族連れも引きつけられているという。

 午前6時前に大阪を出発し、車を走らせること1時間強。高速を下り、乗用車1台通るのがやっとの細い山道を進む。連なる木立を抜けると、眼前に緑に囲まれた池が広がった。野鳥のさえずりが聞こえる中、深呼吸をすると、さわやかな朝の空気が肺にしみ入った。

 その日は、風速3メートル。事前に市観光課から、撮影は「風の弱い早朝がおすすめ」と聞き、撮影日を選んだつもりだった。普段なら心地よく感じる程度の風が、この日は撮影の大敵に。水面が風で波立ち、木々が反射しない。そのまま数時間、祈るように風がやむのを待ったが、とうとう満足のいく写真は撮れないまま取材を終えた。

 「これじゃイマイチだな」。撮影した写真を見ながら、3人で肩を落とした。明朝の風はどうだろう。調べてみると風速は0メートル。「再撮影させてください」と上司に頼み込み、次の日に雪辱を期した。

 翌朝午前6時。スマートフォ…

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