九電の川内原発運転延長「検討」 地元には賛否

具志堅直、奥村智司
[PR]

 【鹿児島】川内原発1、2号機の運転延長に向けた検討に入ったことを九州電力がこのほど明らかにした。地元の薩摩川内市から賛否の声が上がった。

 九電の池辺和弘社長は28日の会見で「川内1号、2号機の運転延長の可否を判断するため、特別点検の実施を検討したい」と述べた。「原則40年」とされる運転期限は1号機が2024年7月で、2号機が25年11月。九電が期限の1年前までに原子力規制委に申請して認められれば、最長で運転を20年延長できる。

 川内原発の運転延長をめぐり、塩田康一知事は「県原子力安全・避難計画等防災専門委員会」(12人)について「原子力政策に批判的な識者を加えて構成を見直し、科学的に検証する」と表明してきた。九電の初の「検討」発言のあった28日、「九電の動向を注視しながら、専門委の委員構成の見直しなどの準備を進めて参りたい」とコメント。一方で報道各社から見解を求められた同市の田中良二市長は「現時点でコメントすることはない」と回答した。

 原発関連の雇用が多い同市。川内商工会議所の上村健一専務理事は「特別点検は20年延長に向けたステップだ。地元経済にとって原発との共存共栄は当然で、これからも運転継続を要望していく」と受け止めた。

 脱原発を模索する同市の市民団体「地域の未来を考える会」事務局の中尾修一さんは「営利企業として延長に向けた方針へ傾くことは不自然と思わない。ただ、倫理的には大間違いで、利益のために誰かを犠牲にするような判断をするべきでない」と話した。

 また、同会は30日に会見を開き、川内原発の運転延長に反対する意見広告を新聞に掲載するための運動を始めると明らかにした。市民を中心に賛同者を募り、来年秋ごろまでの掲載を目指す。掲載料は1人500円で、1万人が目標という。桑原貴久雄代表は会見で「目に見える形で意思を示し、世論を喚起したい」と話した。(具志堅直、奥村智司)