海と故郷をたたえた歌「KOOZA」を歌う南努さん

直井政夫
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 本州最南端の潮岬(和歌山県串本町)は、東側と西側で海の姿が対照的という。地元のダイバーによると、西側は沖へ突き出た潮岬に守られて風や海流が穏やか。一方、東側は夏場、南からの風が強いと荒々しくなる。古座川からはプランクトンを豊富に含んだ水が入り、海が緑色に染まって見えるという。

 そんな「古座グリーン」と呼ばれる海と故郷をたたえた歌「KOOZA」を、串本町出身のシンガー・ソングライター、南努さん(34)が昨年秋に作った。ユーチューブで2万回以上再生され、人気が高まっている。

 中学時代からギターに親しんだ。古座高校から大学に進み、卒業後に上京。音楽の道を夢見ながら商社に勤務した。仕事先で左手に大けがを負い、1年間入院して、ベッドで自問する日々が続いた。「やりたいことを、やっていない」。会社を退職し、2011年夏に音楽活動を開始。夢へ歩み始めた。

 その年の秋、紀伊半島大水害が起きた。翌12年、被害が大きかった那智勝浦町に歌手・さだまさしさんがやってきてチャリティーコンサートを開いた。さださんの前座として出演し、故郷を歌で元気づけた。

 「KOOZA」は、串本町でダイビング店を経営する友人の上田直史さん(39)に「店のテーマソングを」と依頼されて作った。海を眺め、「天から降ってくるように」曲が浮かんだという。自身が奏でるウクレレの明るい音色に合わせ、「溢(あふ)れ出すスマイルとハッピーと潮風の香りと」

「今日もみんなで出かけようぜ この海眺めて」と軽快に「古座グリーン」を歌った。

 「KOOZA」を聴いた富山県のビール会社からテーマソング制作の依頼が寄せられた。「ひとりでも多くの人に自分の歌を届けたい」。夢へ、さらに歩き始めた。(直井政夫)