「飲み会」やめた清田隆之さん 得たもの、失ったもの

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聞き手・滝沢文那
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 新型コロナ禍で、歓送迎会などの飲み会は激減した。かつて「飲みニケーション」は日本型社会の美点とさえいわれたが、ハラスメントの温床になっているという指摘も。「あえて飲まない」人も増えている。恋愛相談やジェンダーをテーマにする文筆業の清田隆之さん(40)もお酒を飲むのをやめたひとりだ。お酒をやめて感じる「快適さ」と「失ったもの」について聞いた。

 ――お酒を飲まなくなったそうですね。

 2、3年前から飲んでいません。次の日にお酒が残ると仕事にならないというのが直接の理由です。

 飲み会の雰囲気を共有するのは楽しいんだけど、後になると何をしゃべっていたのかよく覚えてない。もともとお酒が大好きというわけではなかったんですが、体質的にはそこそこ強かったので、飲み会自体は苦ではなかったんですよ。仕事に関わる人間関係が作れたり、先輩に認めてもらって仕事につながることもありました。

 ――接待問題で辞職した山田真貴子・前内閣広報官が若者向けの動画で、「飲み会を絶対に断らない女としてやってきました」と語っていましたね。「断る人は二度と誘われません。幸運に出会う機会も減っていきます」と。

 そうそう。同じ考え方ですね。

 僕の場合は出版関係ですが、仕事上、ホモソーシャルっぽい感じで、飲み会に参加して、その場を盛り上げることで得られるものが、特に若手の頃などは結構ありました。

 ――「ホモソーシャル」は、同性同士の恋愛でない絆を指す言葉で、主に男性同士に使われますね。

 特に男性だけの飲み会では、途中で帰ろうとすると、「さむい」とか「面白くないやつ」と捉える風潮がありますよね。かなりの圧力があると思います。

 あるいは、先輩後輩の上下関係の中で、先輩を喜ばせる、面白がらせる話をする。年長者が多くお金を出すことが多いので、先輩を喜ばせることで対価を払うみたいな感覚もある。

 僕の場合は、20代前半の駆け出しライターの頃、編集部の人たちはほとんどが年上。当時、大きな会社の企画で30~40代の編集部員や先輩ライターと一緒に仕事をしていて、校了などの節目や忘年会、新年会などの季節ごとに飲み会で、「なんか面白い話して」と若手に順番が回ってくるんですよ。女性に振られた話とか、要は失敗談。あれが本当にプレッシャーで、毎回ノートにネタを書いて、必ずヘパリーゼとリポビタンDを飲んで、グッと気持ちを上げていく、あの感じ。こんなに追い詰められて参加するものじゃないはずなのに。

楽しい思い出もあるけれど

 プライべートでいえば、僕は…

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