ビシエドは「大砲ではない説」を考える

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竜党のつぶやき 中日ドラゴンズへの深すぎる愛

 「首位」。

 近年のドラゴンズには縁遠い言葉だった。交流戦6試合が終わった段階に過ぎないとはいえ、「首位」の響きは実にうれしい。

 王者ソフトバンクに負けなしの2勝1分け。続いて敵地での日本ハムに2勝1敗。

 この1敗は、大野雄大が先発した第1戦でのまさかの大敗だが、むしろ、接戦で変に中継ぎをつぎ込んで負けるより、結果として良かった。この大敗が、第3戦の「祖父江・福・又吉」の盤石な継投につながり、ムダにはならなかったように思える。

 しかも、1軍で登板機会がなかった山本拓実、ランディ・ロサリオ、近藤廉の3人の実力をマウンドでテストもできた。

 少しずつ打線も当たってきたが、何と言ってもダヤン・ビシエドが爆発し始めた。交流戦6試合で22打数11安打4打点。中日打線は結局、ビシエドの調子次第なのだ。

 もう一人の助っ人であるマイク・ガーバーの2軍デビュー戦をナゴヤ球場で見て、「1軍でもそれなりにやってくれるのでは」と期待したことは前回書いた。だが待っていたのは、5月14、15日のヤクルト戦の衝撃だった。

 2試合で三つの3球三振。ライデル・マルティネス級の160キロの速球に当たらないならわかるけど、140キロ台中盤の速球なのに、全くかすらなかった。

 中日スポーツの名物コラム「龍の背に乗って」で、渋谷真記者は「これだけ速球系を突っ込まれ、打ち返せない外国人を見たことがない」とあきれ、コラム中で評論家・岩瀬仁紀氏も同意見だったと書いた。

 高めの速球に全くかすらず三振する外国人……。何か前に見たことなかったっけ。プロの2人が「見たことがない」というのだから、年のせいか記憶が混同しているに違いない。で、3、4日たって忘れたころ、デニーズでミートスパゲティを食べながら思い出したのだ。

 そうだった、カラスコだ。あの「謎の外国人」も高めの直球に全く当たらなかったじゃないか。

 フェリックス・カラスコは2011年に中日に1シーズンだけ所属していたドミニカ共和国出身の助っ人だ。ドミニカサマーリーグで「自称4割」という、厳しい落合博満政権下では信じられない、おおざっぱな成績をかかげて来日した。

 日本野球機構のホームページで個人成績を調べてみたら、3試合の出場で4打数4三振だった。

 思い出してきた。「かすりもしない」姿を、球場で見たのだ。それはたぶん、11年7月13日に神宮球場で行われたヤクルト戦だったと思う。残り2試合は首都圏での試合ではない。遠征して見たなら覚えているはずだ。

 2打席2三振。記憶では3球三振だったと思うが、ファウルチップくらいは1球あったかもしれない。でも、高めの速球にかすりもしなかったのはよく覚えている。

 いくら何でも、ガーバーはこれほどひどくはないはずだ。

 来日前、ネットの一部で「ガーバー=コーリー・スパンジェンバーグ(西武)」説があった。

 身長、体重、そして年齢もほぼ同じ。右投げ左打ちの中距離打者、守備はまあまあだが、三振が多い特徴も似ているというのだ。

 スパンジェンバーグの来日1年目の成績は2割6分8厘、15本塁打、57打点。ただ三振は両リーグトップの150で、これは多すぎる。ガーバーも仕上がれば、このくらいはいけるはずだ。もちろん、「このくらい」で満足していいのかどうかは別問題だが。

 厳しく言えば、12球団で唯一といっていいほど、ドラフト以外の補強をまともにしていないのが今年のドラゴンズだ。

 ガーバー、ロサリオを取るのは、「補強」ではない。抜けた穴を埋めるための「補充」のようなものではないか。

 ところで、中日の助っ人の歴史を振り返ってみると、きれいに「大砲」系と「好打者」系に二分されるような気がする。

中日ドラゴンズにまつわる話題をお届けします。コラム「竜党のつぶやき」は毎月第1火曜日に配信します。

 特にペナントを制覇した年に…

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