全ての始まりは、あのいすだった 歌舞伎が変えた人生

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向井大輔
写真・図版
南座に立つ武冨陽子さん。手には公式キャラクター「みなみーな」=2021年5月17日午前、京都市東山区、槌谷綾二撮影
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 歌舞伎の発祥の地とされる京都の南座で、武冨陽子さん(41)は女性で初めての副支配人になった。手堅い将来ではなく、本当に好きな道を貫く選択をした。

 博多座のいすに腰を下ろした瞬間が、全ての始まりだった。2001年6月。大学3年生だった。

 博多座でアルバイトをする知人に誘われ、歌舞伎を見た。劇場の雰囲気も舞台セットも覚えていない。ただ、花道に立った歌舞伎役者の美しさだけはありありと思い出せる。白塗りで端正な顔立ち。気迫と色気に「ハッとした」ことも。

 法学部だった。法曹界に進むか、公務員になろうか。ぼんやり考えていた。親も安定した仕事を望んでいたことも肌で感じていた。だけど、どうしても忘れられない。その年の秋、博多座でバイトを始め、フェリーで大阪まで歌舞伎を見に行ったり、日本舞踊を習いにいったりするまでになっていた。

 周りは、だんだんと就職活動

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