スエズ運河事故、賠償交渉が難航 主張額の隔たり大きく

森田岳穂
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 エジプト東部のスエズ運河で大型コンテナ船が座礁した事故で、賠償金を巡る交渉が難航している。運河を管理するスエズ運河庁側と、船を所有する正栄汽船(愛媛県)側との争いは、裁判に発展。双方の主張額の隔たりは大きいままで、解決までには時間がかかる可能性もある。

 運河庁側は離礁作業でかかった費用や、事故による運河の閉鎖に伴う通航料の損失などについて、当初9億1600万ドル(約1千億円)の賠償を請求。正栄汽船側が異議を唱えたために提訴し、その後5億5千万ドル(約600億円)まで減額した。一方、同社側は1億5千万ドル(約160億円)が妥当と主張し、対立が続いている。

 29日には裁判所で審理が始まる予定だったが、6月20日まで延期することが決まった。裁判外での話し合いによる解決を促す意図があるとみられる。同社側に保険を提供している英保険事業者は29日、「可能な限り早く解決したい」とのコメントを出した。

 事故は3月23日に発生し、29日に離礁に成功した。船は運河庁側に差し押さえられ、運河近くの湖にとどまっている。正栄汽船によると、船員は全員インド人で、船長以外は帰国が認められたという。(森田岳穂)