奨学金訴訟、教え子の保証人になった恩師は何を思う

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川村さくら、平岡春人
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札幌地裁の判決後に会見した原告の男性(左)と女性=2021年5月13日午後3時、札幌市中央区、川村さくら撮影
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 奨学金の返済をめぐり、日本学生支援機構が半額の支払い義務しかない保証人に全額を求めたのは違法だとして、北海道内の保証人ら2人が過払い分の返金などを求めた訴訟で、機構が札幌高裁に控訴したことで、保証人の救済はまた遠のいた。控訴が明らかになった5月31日、原告からは失望の声があがった。

 「法律を順守すべき立場の機構が、裁判所の見解を無視するわけないと思っていたのに……」。機構の控訴を知り、原告の一人の元高校教諭の男性(75)=北海道小樽市=は絶句した。

 札幌地裁は5月13日、半額を超える分を機構の不当利得と認め、計約139万円の返金を命じた。機構はこの判決を不服として、29日付で札幌高裁に控訴した。

 この男性は控訴について、「訴訟の決着が遅れれば、それだけ過払い分が戻ってくる日が遠ざかる。声を上げていない保証人らが置き去りの状況も続く」と憤った。

 男性は道内の工業高校で教壇に立っていたとき、教え子から保証人になってほしい、と頼まれた。座学は苦手だが実技を一生懸命に取り組む教え子の「学びたい」という思いに感銘を受けた。快く引き受けた。

 教え子は大学を出て就職した…

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