ハンコは悪者か? シヤチハタが挑むデジタルとの融合

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今泉奏
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 コロナ禍で政府主導の「脱ハンコ」が進む。ハンコの代名詞でもあるシヤチハタ(名古屋市)は主力商品の売り上げが落ち込むなか、パソコンやスマホで「押印」できる電子印鑑で勝負に出た。承認や信用の「印」はどう変わっていくのか。舟橋正剛社長に聞いた。

 ――コロナ禍によるテレワークで、「脱ハンコ」の波が押し寄せました。

 「ハンコが悪者にされ、いい気はしませんでした。ネーム印や朱肉など主力商品の売り上げは、前年より1割ほど減りました。一方で、電子印鑑を使った決裁システムが好調です。印鑑を紙に押す代わりに、パソコンやスマホ上で書類に印影を記すことができる仕組みです。書類がなくても、いつも通りの決裁が進められます。本人認証にも力を入れ、安全性も高めています」

 「システムは、25年ほど前に開発し、少しずつ浸透していましたが、コロナ前の申し込みは月2千件くらい。それが、昨年3~6月に無料で試せるようにすると4カ月で27万件になりました。印鑑1個につき月額110円からでコストも低く、多くの方に続けて使っていただいています」

 ――電子決裁のニーズはどこにあったと思いますか?

 「テレワークでも基本的な仕事のやり方は変わらないので、そこにニーズがあったと思います。仕事が全てデジタルになることは今後も絶対にありません。会社によって、どれだけデジタル化を進め、アナログ部分を残したらいいのか。そのバランスは違います。ただ、どの会社にも言えるのは、デジタルとアナログがほどよく交ざった融合点が必ずあるということです。我々はその両方を提供できる唯一の会社だと思っています」

 ――「融合点」に向けて、社…

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