台湾TSMC つくばに研究拠点 日本政府も助成

新宅あゆみ
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 半導体の受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が茨城県つくば市に研究開発拠点を新設し、最先端半導体の開発を進めることになった。開発には、半導体の製造装置や素材に強みがある日本メーカーや研究機関も参画。総事業費は約370億円で、日本政府が約半分の190億円を補助する方針だ。

 経済産業省が31日発表した。TSMCは今年3月、日本で完全子会社の「TSMCジャパン3DIC研究開発センター」を設立。今後、つくば市にある経産省系の研究機関「産業技術総合研究所」のクリーンルーム内に研究用の生産ラインをつくる計画だ。今夏から整備し、来年から本格的に研究を始める。経産省によると、半導体を保護する基板技術に強いイビデンや、装置メーカーの芝浦メカトロニクスなど、関連する日本企業約20社の参加を見込んでいるという。

 研究開発に取り組むのは、半導体の製造工程のうち、回路が刻まれた半導体をカットして製品の形に組み立てる「後工程」だ。とくに、様々な機能を持った半導体をうまく積み上げることで、小さくても高性能な製品に仕上げる「3次元実装」という技術の開発を進めるとしている。

 米中の技術覇権争いや世界的な半導体不足を背景に、最先端の半導体の供給網を囲い込む動きが世界的に強まっている。今回、日本政府が事業費の半分を負担してでもTSMCの誘致にこだわったのも、そのためだ。

 TSMCは昨年には、米アリゾナ州での工場建設も決めている。経産省では、TSMCの研究開発拠点やそこでの日本企業との共同開発を呼び水に、将来的には半導体の製造工場の誘致にもつなげたい考えだ。(新宅あゆみ)