県内の新規感染者 2カ月連続で最多 岩手

新型コロナウイルス

中山直樹
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 岩手県内では、新型コロナウイルスの新規感染者が4月に続き、5月も過去最多を更新した。県はワクチン接種のスピードアップのため、打ち手の確保や会場の増設を検討しているが、長引く影響に飲食店からは悲鳴が上がっている。(中山直樹)

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 盛岡市で31日に始まった高齢者のワクチン接種。対象は施設などに入所していない90歳以上で、会場の盛岡赤十字病院には、予約した約50人が訪れた。

 同居する長男に付き添われて来た男性(94)は「最近、盛岡でも感染者が増えているので、少し安心した」と話した。

 市によると、90歳以上で予約を受け付けたのは、30日時点で対象7100人のうち1854人。今後、65歳以上を5歳ごとに区切り、順次予約を受け付ける予定だ。

 県内では4月に新規感染者が急増し、1カ月間で判明した感染者数は過去最多の291人になった。5月はそれを大きく上回る530人で、入院患者も8日と18日に過去最多の134人に達した。

 国が7月末までの高齢者の接種完了を掲げるなか、県内のほとんどの自治体で一般の高齢者への接種が始まっているものの、接種日程の調整や打ち手不足のため、接種率は上がっていない。

 県内には約40万人の高齢者がいるが、5月24日時点で1回目の接種をしたのが約2万7千人、うち2回目を終えたのは約4100人にとどまる。

 県は接種を加速させるため、県立病院から打ち手が足りない自治体に医療従事者を派遣したり、打ち手を派遣した医療機関には人件費などを補助したりするため予算を確保した。

 また、大規模接種会場を6月中にも設置する方向で調整を進めている。

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 感染拡大が収まらないなか、深刻な影響を受けているのは飲食業界だ。

 盛岡市大通1丁目のイタリア飲食店「ロッシュマーノ」の店長、菅洋介さん(38)は1月、市中心部の飲食店主らと「岩手の飲食業界を守る会」を結成。テイクアウトの屋台を出す催しを続けてきた。

 しかし4月以降、大通周辺の飲食店で感染が相次いだ。盛岡市保健所が4~5月に判明した市内の新規感染者約300人について、感染のきっかけを分析したところ、約4割が「会食」だった。

 そのため客足は大きく減り、5月の催しも中止に追い込まれた。店の売り上げは例年の4分の1と、感染拡大が始まった昨年春以降、最も低かったという。

 「感染対策をしていても『来てください』と大声で言えない。もう打つ手がない」と頭を抱える。

 県は飲食店への支援策として、十分な感染対策を取っている店の認証制度を導入することを決定。基準を満たした店にはステッカーを配布して客が来やすくするようにしたうえで、10万円の支援金を交付する。

 しかし、運用開始は6月下旬の見通しで、菅さんは「もう少し早くしてほしい。今はこれだけが頼みの綱だ」とため息をついた。

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