12年ぶり政権交代に現実味 イスラエル野党、交渉進む

エルサレム=清宮涼
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 3月の総選挙を受けて組閣のための交渉が続いているイスラエルで、右派政党「ヤミナ」を率いるベネット元国防相が5月30日、反ネタニヤフ勢力の連立政権に加わることを明らかにした。野党側が連立交渉に成功すれば、2009年から政権を維持してきたネタニヤフ首相の退陣が現実味を帯びてくる。

 イスラエルでは3月23日の総選挙(定数120)で与野党が伯仲し、いずれも過半数となる勢力を築けなかった。ネタニヤフ氏が率いる右派「リクード」が第1党となったが、連立交渉に失敗。現在、第2党となった中道野党「イエシュ・アティド」のラピド党首が組閣に向けた交渉中で、6月2日に交渉期限を迎える。ベネット氏がイエシュ・アティドとの協力を明言したことで、反ネタニヤフを掲げる連立政権ができる見通しが高まっている。

 ネタニヤフ氏は30日、ベネット氏について「世紀の詐欺だ」と批判。連立交渉の切り崩しを図ろうとしている。

 イスラエルではこれまでネタニヤフ氏の続投をめぐって政界が分裂し、2年間で4度の選挙が行われる異例の事態が続いている。3月の総選挙ではリクードが30議席、イエシュ・アティドが17議席、ヤミナは7議席を獲得した。イエシュ・アティドの連立政権には、ガンツ国防相が主導する中道「青と白」や反ネタニヤフを掲げる右派「新たな希望」、左派政党なども参加する見通しだ。連立政権が成立すれば、ベネット氏とラピド氏が交代で首相を務めるとしている。

 AFP通信などによると、ヤミナの1人は反ネタニヤフの連立政権に加わることを拒否しており、期限まで交渉が続きそうだ。(エルサレム=清宮涼