熊本の元町議殺害、深まる謎 目撃者なく…外部の足跡も

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長妻昭明 屋代良樹
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 熊本市南区の住宅で、旧城南町議の農業中村尊徳(たかのり)さん(74)が殺害された事件は、31日で発生から1週間が経った。熊本県警は120人態勢で捜査を進めているが、まだ犯人像や犯行目的は見えてこない。中村さんは「温厚で誰からも好かれる人」(親戚)といわれ、謎が深まる。

 県警などによると、中村さんは24日午前6時15分ごろ、自宅の寝室でうつぶせの状態で倒れているところを、廊下を挟んだ別の寝室で寝ていた妻に発見された。発見時、鼻と口に粘着テープが貼られ、両手足はひもで縛られていた。妻が親族経由で110番通報し、救急隊員がその場で死亡を確認した。

 司法解剖の結果、死因は窒息死で、死亡推定時刻は24日午前0時以降と判明。県警は死因と発見時の状況から殺人事件と断定し、25日に120人態勢の捜査本部を設置した。

 県警は不審な人物を目撃した人や、自宅周辺の防犯カメラを調べたが、これまでに犯人につながる有力な情報は得られていない。犯行当時、妻は寝ており、物音も聞いていなかった。

 一方、現場の自宅には様々な証拠が残されていた。捜査関係者によると、遺体の発見時、玄関には外側から鍵がささったままだった。家の中から家族と親戚以外の靴の足跡が見つかっている。県警は、犯人が朝までの間に鍵を使って侵入し室内で殺害したとみて、鍵の入手経路や足跡を調べている。

 自宅から約4キロの国道沿いでは、鍵のついたままの中村さんの軽トラックも見つかった。23日まで自宅にあったことが分かっている。

 犯行目的は絞り切れていない。捜査関係者によると、中村さんが発見された寝室のタンスには、物色された跡があった。また、首を絞められた痕がないこともわかった。こうしたことから、県警は単純な殺人ではなく強盗など別の目的があった可能性もあるとみている。一方で、現時点で家の中から持ち去られたものは確認されておらず、慎重に捜査を進めている。

 ある捜査幹部は「防犯カメラに映った犯人の映像がなく、目撃者もいない。犯人逮捕まではまだまだ時間がかかるだろう」と話す。(長妻昭明)

「みんなに好かれる人」 肩落とす知人ら

 「早く犯人を捕まえてほしい…

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