国産の燃料電池を積んだ初の電動アシスト自転車お披露目

三ツ木勝巳
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 国産の燃料電池を積んだ初の電動アシスト自転車の試作機が完成し、31日、甲府市山梨大学燃料電池ナノ材料研究センターで公開された。県と山梨大学が中心となって進める事業。電動アシスト自転車のバッテリーとして主に使われているリチウムイオン電池に比べて、飛躍的に走行距離がのびたという。

 燃料電池は、水の電気分解の原理を利用して水素と酸素を化学反応させて電気を発生させる。今回の電動アシスト自転車は、燃料電池で発電した電気を使ってモーターを回す。

 山梨大学燃料電池を共同開発した日邦プレシジョン(本社・韮崎市)によると、試作機の燃料電池は、250ワットの電力を生み出すことができるという。シェアサイクル用の電動アシスト自転車燃料電池で動くように改造し、出力が235ワットのモーターを回す。災害時には燃料電池を発電機として使うこともできる。秋にコンパクト化した試作機を開発し、商品化に向けた実験につなげていきたい考えだ。

 中心研究者の飯山明裕・同センター長によると、高圧水素タンク1・1リットルの水素で、リチウムイオン電池を使った場合の約2倍にあたる約100キロの走行が可能だという。飯山センター長は「軽量化や回路制御を工夫して(リチウムイオン電池の)3倍走れるものをめざしたい」と意気込む。

 試乗した長崎幸太郎知事は「パワーもあり、電動自転車として素晴らしい。山梨県発の技術、そして製品になりうるのが魅力的なのは言うまでもないが、防災に使えることは大変興味がある。これから必要になってくる実証実験に県としても積極的に協力していきたい」と述べた。(三ツ木勝巳)